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異世界転生して○○になったった(仮)  作者: 太もやし
第一章 異世界転生者になったった
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幕間1 生徒になったった (アルタミラ先生の個人授業)

この世界の神とか、魔法の説明回です。

若干エロを混ぜてみました。

主人公達がイチャラブモードになってるのは、第9話からしばらく時間が経っているため、ということで大目に見て下さい。

 ここは、私立アルタミラ学園。


 邪神の終焉の地と恐れられる、封印されし「死の大空洞」。

 その大空洞の上に、あたかも大空洞を侵入者から守るかのように拡がる「暗黒竜の巣窟」。

 その最下層、「暗黒魔竜のねぐら」とも「地獄の門前広場」とも、あるいは「ワタシの寝室」とも呼ばれる地下の広間で、今日も授業が始まった。



 出席者は、学園長兼校長兼担任のアルタミラ先生と、生徒兼用務員兼ボケ担当の俺と、父兄参観の子ドラゴンの3人(ツッコミ不在)。


 っていうか、子ドラゴンが父兄っておかしいだろ。

 むしろ俺が母親という名の父兄だろ。


 まぁ、二人とも喜んでるからいいんだけどさ。



「それでは、前回までの復習から授業を始めます。

 

 ――世界の始まりの時、『始原の卵』の中には、『形の無い大いなる力』が渦巻いていました。

 やがて、形の無い大いなる力は、二つの意思に分かたれ、相争い続けました。


 それでは、アイザルト君っ!

 相反する『二つの偉大なる力』によって、始原の卵はどうなりましたか?

 説明しなさい。」



「はい、アルタミラ先生!


 先生のおっぱいに目が釘付けで、難しいことは何も考えられませんっ!」



 ちなみに、今、俺とアルタミラは人化している。


 しかも全裸である。


 褐色の肌に、流れるような艶のある銀髪、細面で鼻筋の通った流麗なフェイスライン、釣りがちな目に、肉感的な唇、勝気な美貌というしかあるまい。


 そして、モデルのような長身に、張り出したヒップ、くびれた腰、豊かな胸の双球、けしからんぐらいのメリハリボディといわざるをえない。


 タプン、とか、プルン、とか、タユンとか、霊体の時には堪能出来なかった動きを、目で追うのに忙しいのである。


 そして、真面目そうな顔をすると結構理知的に見える(大事なのは主観。ホントに知的かどうかは不問である)アルタミラの美貌に、キラリと光るモノクルのワンポイント。


 絶賛ブヒ萌え中なのである。



――――――――――――――――――――――――――――




 「アルタミラの寝室」こと、暗黒竜の巣窟最下層にある「大広間」で暮らしだして1カ月は経っただろうか。


 当初、アルタミラは、この広間にある「アルタミラの財宝」(――といっても奪ってきた伝説の武器・防具とかでは無く、人化して人族諸国を旅している間に貴族や大商人から貢がれた宝石やドレスや天蓋付ベッドなどである)の中から、適当に衣服を見繕うつもりだったのだ。


 ところが、アルタミラの死因となった戦闘や、ブラックドラゴンのゾンビが暴走したお陰で、宝物庫(というか色々置きっぱなしにしてある床のことである)が荒らされたため、宝飾品は土砂に埋もれ、衣服は黒こげになるかボロ切れに変わり果てた。


 俺はその掃除を命じられたのだが、何に使う気だったのか分らない「あるモノ」を発掘したことが、学園ごっこの始まりであった。


 それは、今アルタミラが左目にはめている「片眼鏡モノクル」である。



 マジックアイテムでもなければ、レンズの度さえ入っていないソレを、「これ、何に使うの?」

とアルタミラに見せたのだ。


 その時、「こうするのよ」と片眼にはめて見せたアルタミラに、



「ぉぅふ!?」



 俺は鼻血を垂らしながら股間を押さえることになったのだ。



 ただでさえ童貞の夢を具現化したような美女だというのに、広人に新たなる試練を与えた(というか変な性癖を目覚めさせた)のが、この瞬間であった。


 それは、「年上の知的な眼鏡美女なのにむっちりエロボディ萌え」という、元の世界でもありそうで遭遇できなかった、広人の見果てぬ夢である。


 この世界の神話や歴史、ヒューム諸国で通用する公用語など、アルタミラから教わらなければならない知識は多い。



「どうせ教えて貰うなら、知的眼鏡エロ美人な女教師に教えて貰いたい!」



という広人のたっての願いに対し、



「え~、アイザルトってホントにおかしな事言いだすわね~。

 でも、先生って何それおいしいの?

 ちょっと面白そうかも。」



こうして私立アルタミラ学園は設立されたのだった。



(要するに、俺がやらせてるんだよね、てへ。)


まぁ、アルタミラもノリノリなんだけど。



「アイザルト君、質問に答えられなかった罰として、先生に魔力を提供しなさい!」



「はい、アルタミラ先生!」



 俺は(二重の意味で)立ち上がると、アルタミラに近付き、唇を重ねる。


 一番効率が良いのは角から魔力を送り込むことだが、アルタミラは角を折ってしまった。

 竜形なら牙の生え揃った口に手を突っ込んで魔力を送り込むことになるが、お互いに人化している状態なら、粘膜から送り込む方法が次善策である。

 最初こそ恐る恐る口づけしていたが、毎日3回やってれば、もはや恒例のスキンシップとなるはずだ。


 決してイヤラシイ気持ちはあるのである!


 十分な魔力を送り込み、絡ませた舌を引き抜くと、アルタミラの上気した妖艶な美貌が、知的で怜悧な女教師の貌に戻る(大事なのは主観。ホントに知的かどうかは不問である)。



「アイザルト君、着席しなさい。

 では、授業を進めます。


 ――『二つの意思に分かたれた大いなる力』が相争い続けた結果、『始原の卵』の内部のエネルギーが高まり、やがて一気に爆発しました。


 そして出来あがったのが現在の世界です。

 夜空に散らばる星々は、始原の卵の殻の欠片だと言われています。


 では、アイザルト君!

 相反する「2つの偉大なる力」――相反する二つの意思とは、何を指しますか?

 説明しなさい。」



「はい、アルタミラ先生!


 先生のお尻に目を奪われて、難しいことは何も考えられません!」



「アイザルト君、質問に答えられなかった罰として、先生に魔力を提供しなさい!」



「はい、アルタミラ先生!」



 と、まぁこんな感じでグダグダな授業が進む。


 もちろん、アルタミラにキスするために、内容を覚えていても答えないだけである。

 そんなに難しい神話でもないので、一度聞いたら忘れない。



 要するに、「2つの偉大なる力」とは、聖神と邪神である。

 一方は、「形よ有れ、命芽生えよ」と意思した天地創造の神、人がその真名を呼ぶことすらはばかられる、至高神である「聖神」。

 もう一方は、「形崩れよ、命滅せよ」と意思した破壊の神、誰もが怖れ、呼ぶ者も無いままその名を忘れられた終末の神である「邪神」。


 そして、名前を顕しこの世界を司るのは、聖神と邪神の相克から生まれた2柱の神、「光神アストル」と「闇神イストラ」、別名「陰陽の2神」であり、その2神が生み出したのが4属性の「4元素神」――「地神ガンダエル、水神ウリエラ、火神アグニエラ、風神ティタンダエル」である。


 光神・闇神の夫婦は、互いに競い合い、打ち消し合う神である。


 地神・風神の兄弟、水神・火神の姉妹は、互いに競い合い、打ち消し合う神である。


 しかし、4元素神は、自らの親神たる光神・闇神のどちらにも従う神である。


 これを魔法に当て嵌めると、4元素属性――例えば地属性の者は、地魔法が得意で風魔法が使えないが、水・火魔法を使うことは可能となる。


 これに対し、4元素より上位の陰陽属性の者は、4元素魔法のすべてを使うことができる。

 例えば光属性の者は、闇以外の5つの属性魔法を行使できるのだ。



 これらと別格の扱いとなるのが、聖魔法と邪魔法である。


 邪魔法については、アンデッドの中でも、(ゾンビ+レイスなど)物理型に死霊型が憑依・融合して現れる特殊な複合型アンデッド(リッチなど)しか使うことが出来ないため、俺達には直接関係無い。


 問題は、聖魔法だ。


 聖属性の者は、本来この世界に存在しない。

 最初から邪属性の生物が存在しないのと同様、聖神も直接世界を司ることは無い。

 従って、初めから聖魔法を使える者はいない。


 例外が、勇者と高位の神官である。

 聖神に祝福された勇者と、至高神への敬虔な信仰によって聖魔法を身に付けた神官。

 歴史に名を残すそれらのほとんどはヒューム(地球人に近い人族)であり、ごく稀にドワーフの神官が記録されるのみである。


 魔族である俺が初めから聖魔法を使えるのは異常なことだし、子ドラゴンが聖・光・闇属性を持ち聖ブレスや聖域のスキルを持っているのは、異常というか、もはや奇跡なのだ。


 おそらく、子ドラゴンの父親が、異世界転移もしくは転生したチート勇者であることが原因なのだろう。


 アルタミラは、自分が死ぬことになった戦闘について、詳しく語ろうとしない。


 もし、敵の狙いが子ドラゴンだとすれば、無事に生まれた事を知られれば、また襲撃される可能性がある。


 俺には聖魔法――つまり、回復、補助、防御しかできない。

 だが、アルタミラと子ドラゴンを引き離すようなことは、絶対に許さない。


 アルタミラを殺すことのできる敵――。


 いずれ、この場所を引き払って、もっと安全な場所へ移るべきかもしれない。



「こら、アイザルト、集中力切れてるじゃないの?

 まぁ、今日の先生ごっこはここまでにしましょうか。」



「< みー? ふにゃ~ (え~? もっとオハナシ聞かせて~) >」



「あ、ごめん。

 そうだな、俺そろそろ掃除(ゴミの仕分け)に戻るわ。

 子ドラゴンは、ママ(お母さんは俺なので、アルタミラの呼び方はこれに落ち着いた)に基本魔法の使い方をしっかり教えて貰うんだぞ?」



「< にゃー! (は~い!)>」



「じゃあ、アイザルト、留守番よろしくね。

 ――その前に、もう一回。」



 唇を重ねる俺とアルタミラ。


(もうしばらく、この平和な時間を過ごせればいいな。)


 2人を見送りながら、俺はそんなことを考えていた。





どうでもいい裏設定ですが、片眼鏡モノクルは、かつて人化アルタミラに恋をしたドワーフの眼鏡職人の青年が贈ったものです。

この世界では無色透明な結晶は貴重品なんですが…。

女教師プレイに使われただけで、以後モノクルの出番はありません。

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