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第7話

最近、更新が滞っており、もう少し書いてからと思ったのですが、

ちょっと展開の無い第7章ですが投稿いたします。


階段を下りきると、町にたった1つきりの駅に続く道路にでる。片側2車線ある道路は町にはこれだけだ。

通り沿いにこれまた1つきりの3階建てのリゾートホテルが建つ。数年前に町の有力者が誘致したのだという。

敷地一杯に幅広く建てられた建物は教会のようなゴシック様式とアールデコ調を安っぽく織り交ぜたような半端な風に仕上がっていた。 

格子の入った縦向けに長い窓が、定められた間隔で並んでいるのは大正時代に日本に増えた洋館をイメージしたのだと思われる。

観光地ではないこの町には似合わない建物で、田んぼの脇に中古のロールスロイスが駐車している様だと噂するものもいた。

このホテルの敷地の角を曲がると、長谷の生家もある町工場の集まる区域に通じている。

ほんの数分歩くだけで道路は脇の建物の敷地の形に合わせて細く蛇行するようなり見通しが悪くなった。

斉藤祐樹がこの辺りを歩くのは初めてのはずだった。

隣を歩く長谷が話しかけた。

「油臭くて息が詰まるだろ? 俺の子供の頃からこの辺りの工場は全然が変わんないんだぜ。」

道が狭いのも、直線的な道路が整備されていないのも町が古いせいだったのか、区画整理されていないだけだったのだと斉藤は理解した。

これらの古い町工場群は長らくこの町を支えてきており彼らを中心に町は生きてきた。

少なくても、あの大きな半導体工場ができるまでは。

そして主役が半導体工場に移った事でさっきまでの広い道路やきれいな街並みは半導体工場を中心に広がった。

だから、今も昔も町工場のあるこの辺り一帯の環境は変化しないのだ。




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