0話 最弱
初めまして。
お話を作るというのは小学校の作文の授業以来のド素人です。
この作品はそんな私が話を作る練習のためのものとなります。
なのでそのくらいの子が書いてる文章、という程度で気楽に見て頂けると嬉しいです。
おかしな点や見にくい点が多々あるとは思いますが、よろしくお願い致します。
この世に生まれて18年。
僕は最弱だった。
友達というのは誰1人として居ない。
得意な事というのもこれといって無い。
他人に褒められた経験もほとんど無い。
容姿も特に優れている訳でもなく、一生安泰で過ごせるような財産も無い。
生きていく上で重要な、戦闘や魔法といった世渡り的な能力だって当然のように皆無。
おまけに身体も弱くて、よく風邪を引いていた。
自分でもビックリするほどの低スペックぶり。
もはや何で生きているのか分からなくなる事だってある。
……でも、それだけならまだ良かった。
どうやら僕はそういうレベルですらないらしい。
「おいおい!
頼んどいた森のキノコ、全然別物じゃねーか!
使う前に気づいたから良かったもの、事前にちゃんと特徴は教えといたよな!?」
「あのなぁ。
井戸を掘る手伝い頼んで3日経つのに、何でそれしか掘れてないんだ……?」
「ちょっと〜。
そんなんで怪我されても私が困るんだけど」
「いやいや……。
なぜそこまで簡単な事が出来んのだ?」
「あー、悪いけどもういいかな」
何か手伝い事をすれば失敗を重ねて叱責され呆れられ、自主的に何かを成そうとすれば己のセンスの無さに愕然とし続ける日々。
自分は物心ついた時から何をやっても駄目だった。
何をやっても。
他人より秀でた能力が何1つ無いだけでなく、その上での無能体質付きときた。
本当に何も出来なく、何も持っていない。
まさに最弱。
まごうことなき最弱。
でもこれは、全て自分の責任だ。
無い物ねだりをしても仕方ないのは分かっている。
出来るだけ誰にも迷惑をかけず、ひっそりと生きていくしかない。
…………でも、こんな僕にも1つだけ夢がある。
それは『誰かの役に立てる生き方』をする事。
こんな何の力も取り柄もない僕が語れるような事ではないのは重々承知している。
昔、目の前で落とし物をした人を見かけて、すぐに声をかけたら「ありがとう」とお礼を言われた事がある。
何てことのない、とても些細な一言だったけど、何も出来ない僕にはそれがたまらなく嬉しかった。
いずれ大成功を収めて偉くなるとか、お金持ちになるとか、全ての人に認めてもらえるとか。
どうせ無能な最弱、そんな事は一切望まない。
1人、たった1人で良い。
せめて誰か1人でも困っている人や、助けを求めている人のために何か出来る存在になりたい。
もし……もし、僕にそんな力があったならーー。
それはどんなに幸せな事だろうか。