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233『頭狂日記』
233『頭狂日記』
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頭が狂なことは、この日記で述べて来たつもりだが、所謂、心底の病という感じよりも、文学的発狂、と言った方が適切かもしれない。あの、芥川や太宰が死んだ、怪死とでも言おうか、それに酷似した、死へと向かう様な狂いである。
しかし、俺は同じ道は辿らない。埴谷雄高に傾倒している俺は、いくら、頭が狂したとて、それを鵜呑みにするのではなく、俯瞰するのである。この日記において、この日記が続く限りにおいて、自己の死は遠ざけられる、安息の場なのである、ここは。




