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128『頭狂日記』
128『頭狂日記』
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コーヒーは美味しいよな、そんな思いが共有されるのは、自販機で並んだりしたときであろう。確かにその時、俺は嬉しい思いに駆られる。ここにも、書いているのだ。コーヒーが美味しいことは、コーヒー通にとっては、当たり前のことだ。
お前も美味しいんだろ、コーヒーが、などとは声には出さ無いが、あの、自販機から立ち去る刹那の、あの微かな頭の頷き、挨拶とでも呼べば良いのか、あれは、はい、コーヒーは美味しいです、と言って居る様なものだ、という話の、今日の頭狂日記である。




