後編
地下の街・・・
ポーラウルフビレッジの全容は、桁外れに大きかった。
商店街や職人街、工場まであった。
僕は、彼女・・・
ライカの家に泊まることになった。
夜・・・
「ヨシヒサ!
「外」にいかない!?」
「外?」
「うん!
オーロラが見れるんだって!」
ライカの案内で、「外」の村に出る。
そうして・・・
夜空を見上げる・・・
「うわッ・・・」
まるで・・・
「宇宙に紛れ込んだようだ・・・」
天の川が美しく・・・
オーロラが、虹のように空にかかっていた。
「日本じゃ、見れないの?」
「見れないね。
それと・・・
夜でも、街の街灯のせいで、こんなにきれいに見えない。」
そんな時だった。
雪が降ってきた・・・
「寒いなあ・・・」
そう言うと、ライカは僕に抱き着いて、キスをしてきた。
数年後・・・
僕は、ポーラウルフビレッジと日本の交流関係の仲介業を始めた。
今やポーラウルフビレッジは、一地方都市というレベルに発展している。
北極観測基地の中継地点としても、発展しており・・・
日本人の移住者や、向こうからの移住者が多いようだ。、
元はホッキョクオオカミの獣人である彼らは、非常に人懐っこく、こういう存在に慣れっこの日本人には、「少子化対策」の観点からも、歓迎された。
「いってらっしゃーい!」
妻が、大きなお腹をゆらしつつ、尻尾を振って声をかける。
「今日も早く帰ってくるよ。」
そう。
なつっこいオオカミは、そのまま僕のところにきたのだった。
ネットで聞きかじった、「ホッキョクオオカミ」をモチーフにしてみました。
北極基地に彼らが、「遊びに来る」というのは、本当らしいです。