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翼と飛翔

アリシアにリンとのやり取りを伝えると彼女は少し考えた後、決闘を承諾した。次の日俺が座学をしている間にアリシアは決闘で使う演習場の予約をしてくれていた。彼女曰く誰の目にもつかなそうなアカデミーの一番端の演習場を選んだそうだ。

演習場は山岳地帯を模した地形になっている。俺とアリシアは高確率で砲撃戦になると踏み背中にはアサルトライフルとマークスマンライフルの二門を用意、腰には予備のマガジンとハンドガン、脚部スロットに接地起爆のグレネードと護身用のナイフを用意した。

「いい?今回用意したマークスマンは私が設計した奴よ、スナイパーの精度と威力を保ちつつある程度の連射が効くわ。ただし分間15発以上の発射は禁止。銃身の過熱で精度が落ちるわ。」

「つまりある程度撃ったら砲身を休ませろって事か?」

「それでいいわ。アサルトライフルとハンドガンは王国軍制式採用のいつものよ。機体の火器管制には山岳の強風への補正を用意してるわ」

「いつも通り完璧な仕事だサンキュな」

「それじゃ、クロウ、武運を」

俺はホバー移動で演習場の東端から侵入する。取り決めで向こうは西端から侵入することになっている。取り敢えず目指すべきは目の前の山の頂上だ。このような起伏の激しい地形では基本的に高所を先に確保した者が有利な砲撃戦が展開される。俺は山の8合目あたりまで順調に上った所で足を止めた。この先は足場がかなり不安定になっているのだ。特に南側の斜面は今にも崩れそうで北側に迂回するしかなくなる。だがそれは相手にも同じことだ。つまり北側の斜面で遭遇する可能性が高い。俺はレーダーに気を配りながらアサルトライフルを構え慎重に北側の斜面を登る。だが相手の反応は無い。9合目あたりまで登ったところでレーダーに反応が出た。この反応は南側!?物凄い速度で東側を迂回してくる。俺はすぐにマークスマンに持ち替え斜面に照準を合わせる。が相手は照準を一瞬で抜けると思うと射撃が飛んでくる。正確だ。機体を左右に揺らしながら回避する。もう一度相手に照準を合わせる。空に浮かぶ深紅のレリックに。空を飛ぶレリックなんてものは聞いたことが無い。だが相手は確かに空を飛んでいた。引き金を引くもくるりと一回転してこちらの射撃を躱される。すぐに向こうから鉄の雨が降り注ぐ。俺はすぐに岩陰に隠れて弾幕をやり過ごす。が、気づけば岩のすぐ横まで回り込まれていた。回避行動をとりながら反撃する。お互い数発弾が掠めた程度で殆ど損傷はない。だが飛行できる分常に優位なポジションを取られるため戦況はかなり不利だ。俺は機体本体より巨大な背部の翼ユニットに照準を移す。あれにダメージを与えれば恐らく相手の飛行機能を奪えるだろう。俺たちは時間が経つのを忘れ躱す撃つの応酬を続けた。どれ位経っただろうかお互い弾薬は尽きたようだ。俺は盾代わりに使った左腕をパージした。これ以上弾を受けるのは無理だろう。相手も最初は綺麗だった翼は穴だらけになり三つあった背部のブースターは一つしか残っていない。お互いライフルの弾は残っていない。俺は腰のハンドガンを構える。相手も流石に飛べなくなったようで着地しサブマシンガンの銃口を向けてくる。暫く沈黙が流れた。向こうが先に動く。ホバー移動しながらサブマシンガンを連射してくる。俺は最低限の機動でそれを避けながらハンドガンで応戦する。ハンドガンが相手の左肩を貫く。サブマシンガンがこちらの右足の装甲に穴を開ける。

「獲った!」

俺はハンドガンを胸部に当てたと確信した瞬間相手は勢いよく上空へ舞う。背部ブースターの最後の力を振り絞ったのだろうか。上空でブースターが爆発する。そんな状況でも正確にサブマシンガンの銃口をこちらに向けてくる。ならば

「パージ」

俺はガラガラヘビの外装を勢いよく吹き飛ばした。中から姿を現すのは俺の愛機、合成獣キマイラ。負けんばかりに全てのブースターに火をつけると俺も空へジャンプした。向こうはこの展開を予想していなかったようで銃口が一瞬迷った。その隙を見逃さずハンドガンで相手の右腕も吹き飛ばすが、これでハンドガンは弾切れ。ハンドガンを相手の頭部に投げつけながら脚部にマウントされたナイフを抜き、ナイフをコックピットに突き刺しながら地面に突き落とした。

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