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釣り野伏せと大将

演習が始まってしばらく経った頃コージー先輩が呟く

「チャンスだクラウスのバカが周りを気にせず突っ込んだ結果数に押されてる!敵の撃破をしながら少しずつ後退してるみたいだこのままあのバカの首を取りに行くぞ」

プライベート回線でリンがため息を吐きながらしゃべりかけてくる

「実戦だとこれ行ったら絶対生きて帰って来れない奴だわ」

「同感、軍勢がどこに隠れてるか分からない以上どう考えても漁夫の利狙いのチームを炙り出すための策だだよこれ」

「でも大将のコージー先輩は突っ込む気満々だし私たちが口出しても多分聞かないわ」

「ジジイが言ってたな相手がバカだと舐め腐ってる時ほど自分がバカになってるって。リン悪いが飛んで一刻も早くクラウスのチームの居場所を確認してくれ」

リンが回線を切り替えて喋る

「先輩、私の機体は上空から索敵が可能なので飛んで敵の位置を確認します。上空から狙撃で援護も出来ますのでそのまま滞空します」

「あぁ頼んだ、他の連中は援護射撃組以外突っ込むぞ」

仕方なしに俺もコージー先輩に付き従って前進する。そんな中プライベート回線でリンから通信が入る

「まずいわ、部隊を見つけた、クラウスのかなり後方多分だけど護衛を除いて20機は重射撃戦装備よ」

「リン、お前の貫通弾ライフルのマガジンは何発だ」

「7発よ流石に撃ったら見つかって集中砲火を貰うから1マガジンしか撃ちきれないと思う」

「見つかる前に一回着陸してくれ多分大将はクラウスではなくその後詰めの護衛の中でも一番軽装で足の速い奴だ見当は付いてるな合図したらもっかい滞空してそいつを狙撃しろ!先輩にはクラウスの後方に重砲撃陣地があるって説明しとけ」

「先輩クラウス先輩の後方に砲撃陣地がありますこのまま突っ込んだら我々はハチの巣です」

「だがここまで前進してしまえばレーダーで我々の位置も割れてしまうすぐに砲撃が来るぞ待て、一年が一人足りないぞ?データリンクも切れている機体の不調か?」

俺はリン以外とのデータリンクをカットして偽装を解く。偽装の装甲内収納スペースから一枚のマントを取り出す。これはアリシアが作ったステルスマントだ。貴重な素材を使っているらしく量産は出来ないらしい。これを付ければ余程近づかなければレーダーで見つかることは無い。俺はマントを纏うと一気に砲撃陣地に距離を詰める。

「リン!俺が交戦したらすぐに狙撃してくれ俺は後ろに回って射撃機体を引き付ける」

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