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第1章 幼なじみの転生は気付けない(19) SIDE マリー

 どうしよう。

 どうするのが正解?


「え、ええと……人違いでは?」

「ですよねえ。人違いですよね。うんうん」


 おーし、彼も無理矢理納得してくれたようだ。


「オレがマリさんをマリー様と間違えたこと、内緒にしてくださいね。もしマリー様にバレたら何をされるか……」


 彼のマリーへの好感度がマイナスだ!

 いやこれ、今のうちにどうにかしておかないとダメじゃない?

 いったん引いてなんてことしている余裕はなさそうだよ。

 やっぱり、すぐにでもなんとかしなきゃ。


「実は……私はマリーです」

「はぁ……お忍びというやつですか……」


 うわぁ……隠してほしかったって顔してるよ。


「少し、お話しさせていただいても?」

「はい……」


 めっちゃイヤそう!

 悪いけどつきあってもらうよ。




 まさか屋敷につれてくわけにもいかず、私達は彼の家へと向かった。

 男の人の部屋に入るのは抵抗があったけど、これだけ私と距離をとりたがっている彼なら心配はないだろう。

 …………たぶん。


「私の評判が最悪なのはご存じですよね」


 念のため警戒し、私はドアを背に立ったまま。

 彼はベッドにこしかけている。


「いえ……そのようなことは……」


 この歯切れの悪さが、彼の心情を物語っている。

 どうやら嘘は下手なようだ。

 信用しやすくて助かる。


「いいのです。わかっていますから。お話とはそのことなのです」

「マリー様はこの街はおろか、公爵の収める土地全体から恨まれてることですか?」


 そこまで言ってないけども!

 そうかあ……この街だけじゃないかあ……。


「ま、まあそういうことです」

「まさかマリー様に逆らう者をオレに暗殺しろと!? 街から人がいなくなりますよ」


 そんなに!?


「そうではなく、私の評判を上げる協力をしてほしいのです」

「賄賂を配ってまわるということですか? そういったことはあまり得意ではないのですが」


 予想される手段がいちいち黒い!

 私のイメージどんだけ……っていうのは今さらなんだよね。


「もっとまともな方法をとりたいのです。心を入れ替えていこうと思いまして……」

「……なぜそんな話をオレに?」


 完全に信じてない顔だこれ!

 しょうがないけどさ。


「これまで私がしてきたことを考えると、まともにとりあってくれる人はいないと考えています。それでもケインさん……勇者様ならと……」


 私にできる精一杯のしおらしさで彼の目を見つめる。


「そもそも、なぜ急に心を入れ替えようなんて思ったんです?」


 そこから疑うかあ!

 当然だよね!

 私でもそうするわ。


 転生のことは、父にバレると命があぶないので伏せておくとして、それ以外の嘘はつかない方がいいだろう。

 下手にとりつくろったところで、信用を得られるとは思えない。


「最近、身の危険を感じるのです。その……私は色々な方に恨まれてるようでして……」

「自業自と――あ、いや。それは大変ですね」


 わかってるよ!

 自業自得だって!

 でも私がやったんじゃないもん!


「協力してもらえませんか? お礼はできるだけします」

「拒否権はないのでしょう?」


 嘘じゃなくても信用してもらえてない!

 脅されてると思ってるよねこれ!


 背に腹はかえられないかぁ……。

 こうなったら、脅しと誤解されて協力してもらうよ!

 どうせ私の好感度はストップ安なんだからね。


 ああもう! ハードモードすぎ!

 せっかくの転生なんだから、おもしろおかしく暮らしたいのに!




本日の更新はここまでです。

明日も投稿しますので、通知がくるよう、ブックマークしてお待ちください!


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