表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無属性魔剣士の聖戦記  作者: バナナ―ド
34/47

エリシオン

愛する者たちを残して、一人天界への階段を上り始めるエルシード。もちろん敵を倒しながら登り切っていく。そして登り切った先には、美しい天界の風景が広がっており、そこで最初の一柱と遭遇する。

準備は邪魔にならない程度の持ち物だが、一応準備はしてきた。


剣はいつも使っている双剣と魔剣アルシオン、防具は自分の動きを制限するような思い防具は一切なし。


ただし、エリアリーゼに施してもらった、物理攻撃・光学兵器・魔法攻撃に対する結界は張ってもらってる。


他に何もない。


堕天使の塔に踏み込む。塔はその戦いの歴史を色濃くそこかしこに残している。魔剣アルシオンを手に入れた時となんの変りもない。


アルシオンのあった45階層を超えて、ただひたすら上っていく。


いつの間にか屋上に到着するが、その上には大きな天空が広がっており、その広大な空間の真っ只中に光で作られた、天へと続く階段が延々と続いていた。


「よし。行くとしようか。」

自分に言い聞かせるようにつぶやく。


天空への階段をひたすら上り続ける。


何時しか夜になっているはずなのに、まったく暗くなることがない。


ついに雲に架かろうとする最中、ついに天界の使いが彼を見つけた。ハーピーの大群である。一斉にエルシードに飛びかかってくる。


ここは一人でここまで来た利点が大きい。


『ディメンションボム』飛びかかる天魔達を一気に空間爆発によって四散させる。双剣で切り捨てる。距離をとる者たちには空間切断で答える。慣れたものだ。


それほど足を止めずに大群の中を抜けていく。


しばらく行くと雲の上に大きな扉があり、その前にケルベロスの亜種?とでもいえる大きな魔獣が配置されている。


魔剣士は足を止めることなく先頭に入る。


高出力魔法は存在を知らせてしまう可能性があり、魔剣による戦闘になる。


その大きな有翼の三つ首獅子は勢いよくエルシードに攻撃してくる。


通常攻撃は全てはじかれてしまう。


エンチャントの空間切断付与の閃空波の連続攻撃で切り刻んだ。


やはり絶対切断が有効かつ唯一であった。


「空間切断が無効だったらどうするかな?」少し考えながら大きな門を潜る。


門の先に広がっていたのは、広大な大地に花が咲き誇り、たださわやかな風が吹いているだけの楽園だった。


そこには、子供や美しい女性の姿をした天使達が行き交っている。


少し雑な服装ではあるが、白装束で身を固めたエルシードは、それ程異質な印象を与えない。


言葉では会話することはなく、心の中に響く声で話が通じる世界であった。


「ふーん」この緩い世界が天界だというんなら、人間界のどこと違うのだろう。考えてしまう。


身近にいた天使の子供に聞いてみる。


「ここはどこ?」


「エリシオンだよ。」


「大天使様に会いに来たんだけど、どこにいるかわかる?」


「みんな神殿にいるんじゃないかな?あっでも一柱だけ、東の果てにいるよ。」


早速だが、孤立している大天使から倒しに行くことにしたのだった。


座標がわからずとも、見える範囲なら空間転移は可能である。空間転移をつなぎながら、東の端を目指す。


東の最果てには、比較的小さな神殿が存在していた。


中に静かに入り込んでいく。


中央の神殿近くに、その姿は存在していた。


薄紫色の光を放ち、6枚の羽根を背中にたたえる見るからに小さな女の子である。整った容姿に可愛らしい出立ちで、穢れの無い美しさなのである。


油断するつもりはないが、その天使には殺気が感じられない。


わざと正面に回ると隠れずに立ち上がった。


「あなたは12天使ですか?」


「へー、わざわざ正面に回って、隠れるつもりはないのですね。」

少し驚いたように、自分も立ち上がってエルシードに歩み寄ってくる。


「私は、ベルガリエル。12天使の一人ではあります。あなたは人間族ですね?」


「はい、僕はエルシードと名乗る一魔剣士です。」


「あー、情報はもらってます。あの大天使殺しの堕天使の器ですね。」


「時になぜでしょう?貴方からは邪気や悪意や敵意が感じられません。」


「別に私は、貴方を害するつもりもなければ、地上階をかき回そうとは思ってません。ただ、為すべきものが、成っていくのを見たいだけですからね。」


「では、今回の聖戦には参加されないという事ですか?」


「為すべきことがないならば、加担することはないでしょう。」


「わかりました。では私はこのまま去ることといたしましょう。」神殿を後にした。


しばらく歩くと神殿は小さくなっていく。


《きぃぃぃぃぃぃぃぃいっ》


先ほど戻ってきた神殿が光に包まれ崩壊していく。


「な、なんだこれは、、、神殿が壊れていく。」


『空間転移』


急いで神殿に戻ると、そこには薄紫の幼い天使が二柱の大天使に抱えられて連れ去られるところであった。


「待ってもらおうか!大天使達よ。なぜベルガリエル様を連れて行こうとする?」


「お前は誰だ?」


このまま油断している隙に仕掛ければよいものを、正々堂々と進み出る。


「離せ!!」


ベルガリエルを抱える一柱の腕を双剣で切り裂く。


「ぐあっ」短い悲鳴を上げて、ベルガリエルの手を放す。


「邪魔だ!」


腕を切られていないもう一柱の大天使が稲妻の聖槍をエルシードに放つ。


「キンッ ガジジジィィィィ」

空間障壁がエネルギーを弾き飛ばす。


戦闘開始であった。

いつもご閲覧ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ