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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

パンツティー考察チーム!

作者: 栗野庫舞

適当に思いついて書いたお話となります。

「パンツティーというものを、深く考えてみたよ!」


 放課後の教室で友人女子が始めた、どうでもいい話。優しい女子高生のあなたは、彼女の雑談につき合ってあげていた。


 この友人は、黒髪を後ろでまとめた髪型の、どちらかと言えば地味な印象の女子だ。けれども、親しいあなたの前では、変な言動が目立つ。


 パンティーじゃなくて? と、あなたは友人に聞いてみる。


「パンツをパンティーだなんて呼ばないよ。パンツティーはね、パンツぷらすティーということなの。まずは、パンツが紅茶のように染まる姿を想像したまえ」


 汚い例えじゃないかと、あなたは非難する。


「パンツを尿で色をつけたら、それは失禁だよね。失禁分かる? いわゆるお()らしのことだよ?」


 知ってるよと、あなたは答えた。


「パンツティーを用意したい。でも、失禁だと汚い。そこで、私は別の観点から、パンツティーの答えを導き出したのだ」


 紅茶のティーパックと語感が似ているから、ティーバック? と、再度あなたは聞いた。


「過激なティーバックとは、むしろ真逆なパンツだよ。でも、過激ではあるね。少なくとも、私はそう信じてる。――じゃ、いくねっ! とくとパンツをご覧あれ~っ!」


 興奮した顔の友人は、あなたに背を向ける。


 あなたは友人のしぐさを見て、恥ずかしくなった。


 しかしながら、あなたは確実に見た。


 友人が、黒いスカートの中を見せつけるようにたくし上げたことを。


「どう?」


 白い下着が丸見えだ。


 下着は股上が深く、お(なか)まですっぽりと覆われている。装飾は特に見られない、子供っぽい下着だった。穿()き古されておらず、新品のように見える。


 あまりにも異質なのは、お尻の割れ目の部分なのは間違いない。そこには、美術で絵の具がはみ出ないように使う、マスキングテープが貼られているのである。


 幅一センチ程度の薄黄色のテープは、全く黄ばんでいない白い下着の上では不自然に際立つ。縦と横に貼られており、お尻の上で(ティー)の字を形成していた。


 パンツの上に、(ティー)


「これこそがパンツティー!」


 振り向いてきた友人に、得意げに叫ばれた。


 あまりにもバカバカしい。あなたは(あき)れてしまう。


「じゃあ、パンツからテープを取ってみて。粘着力の弱いマスキングテープだから、キレイに取れるよ」


 友人に言われて、あなたは(かが)んだ。ご丁寧に、テープの端っこは取りやすいようにちょっと折り返してある。


 下着に覆われたお尻と向き合う。恥ずかしがることなく友人が丸見えにしているので、逆に性的に感じられないのが救いでもあった。


 まずは横のテープを左側から取ろうとする。


「あっあっん!」


 テープを引っ張った際、変な声を出された。


 あなたは何をやっているんだろうと思いながらも、今度は縦のテープを上から()がす。


「ひゃあっ!」


 ()がした部分には、マスキングテープではない、セロハンテープが別に貼ってあった。


 縦で、


 T


 e


 a


 と、油性ペンで小さく書かれている。


「ティーだよ、ティー! ここでティーに回帰するという、素晴らしい発想だっ!」


 お尻と下着を見せながら、意気揚々(いきようよう)に友人は喋る。


「これでお楽しみは終わりだから、ティーもパンツから()がしていいよ。粘着力の違いを思い知れ!」


 そう言われたあなたは、セロハンテープを取ろうとした。折り目はなく、しっかりとくっついているため、取りづらい。爪を立てて取ろうとすると、


「うあっ! ああっ!」


 変な声を出される。下着丸見えだし、本当にやりづらい。


「いやあああああああああぁ!」


 しばらくあなたがテープと格闘した後、どうにか取り終えた。終わったよと伝えると、友人はスカートを下ろし、あなたのほうを向いた。


「パンツを汚さないティーでした!」


 だからなんだ、くだらないことで時間を取らせるなと、あなたは友人に文句を浴びせた。


「でも、ドキドキしたでしょう? 今この瞬間の特別な感情は、私からの誕生日プレゼントです!」


 は? と、あなたは口に出す。


「なぁにぃ~、不満? じゃあこのパンツもプレゼントしようかぁ? 今日のためだけに用意した安物パンツだけど、受け取ってくれる?」


 彼女はわざとらしく恥ずかしそうな顔をして、スカートをたくし上げた。あなたは正面側の太ももに近い部分を見ることになった。お尻側と違い、全てを()えて見せないようにしているので、むしろいやらしい。


 あなたは少し間を開けた後、()らないと断った。


「おー、それは良かった。土下座してでもパンツ欲しいなんて頼み出したら、私でも怖くなるからね~」


 友人は制服のスカートを()ろす。


「もちろんパンツあげるなんて冗談だよ。帰りにどこかに寄って、そこで改めて、別の誕生日プレゼントを買ってあげる。お茶しに行くのは、今日は失禁みたいになるから、やめよっか」


 誰のせいだと、あなたは友人に訴えかけた。


 その後は、お互いに下校の準備へと移る。あなたはふと、ずっと手に持っていたテープ類に目をやった。


 この特別なゴミをどうしようかと悩んで、ひとまずポケットにしまい込んだ。


                    (終わり)

やたら女子高生がパンツパンツ言うお話でした。


最後までおつきあい頂き、ありがとうございます。

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