入学6
遅れました!!ごめんなさい!!
今回も長めです!!
私立札幌帝国高校とはなにか??
翌朝。康介と光輝は並んで歩いていた。中学の時と基本は変わらないが、変わったものと言えば制服と方向。そして……
「おはよっん」
康介と光輝の間に勢いよく入り、二人の肩を叩いたのは菜央だった。これも変わったことの一つで菜央の方が家が学校から遠くなった。
「おはよ。」
「おはよ。」康介と光輝の声が重なる。
「これからは私が君たちを向かいに来る番だね。」菜央の声は元気で弾むようだ。
「いや。俺ら中学の時、一緒に行ってなかったでしょ。」光輝が笑顔で突っ込む。
「あっ。バレたか。でも、こんなに可愛い幼馴染を放って置けるのかな?」菜央は悲しい顔を作って上目遣い。関わりのない人なら一発KO喰らっても不思議ではない。
「はいはい。放っておきまぁーす。」康介が適当に返した。
「えーーー。意地悪じゃん。康介」菜央が康介の腰を突っつく。
その後、ふざけ話やクラスメイトのことを話したりしていると、10分程で学校に着いた。康介と光輝は歩いている間、菜央の明るい姿に変わったことへの疑問を抱えていたものの、口に出すことはなかった。
3人は一緒に学校玄関に入ったが、菜央は昨日光輝と連絡先を交換していた田畠さんを見つけ飛んでいった。
康介と光輝は階段を上り3階へ行き、1-1教室に入った。
「あっ。おはよ。副島くんと藤井くんだよね。えっと。吉岡大和です。」
康介と光輝に話しかけたのは、身長はそこまで高くなく、髪の毛に白髪が生えてる、高校生おじさんみたいな吉岡大和(大和)だった。
「おはよ。大和。名前呼びでいいかな。副島光輝です。光輝って呼んでくれ。」光輝が笑顔で返したが、光輝は一瞬で康介の後ろに回っていた。
「ほれっ。康介の番だぞ。」光輝は康介の腰を押して光輝の横に立たせた。
「えっと。藤井康介。呼び方はなんでもいい。よろしく。」康介は言い終わるとすぐに下を向いた。
「康介は最初だけ人見知りが酷いんだ。気にしないでくれ。いい奴だからすぐに仲良くなれる。」光輝が康介のフォローを入れる。大和は不思議そうな顔をしている。
「わかった。よろしく二人とも。あ。荷物置いていいよ。」
「ありがと。」
光輝は入口からすぐの席で、首席の席だ。康介は入口から遠く窓側。大和の席は窓側から二番目の列の1番前。荷物を置いた康介と光輝は自然と二人になり、そこに大和が来た。
「俺。張り切り過ぎたみたいで、光輝と康介が来るまで20分くらいかかった。」
「張り切り過ぎだね。何で通学してるの。」いつものように光輝は誰とでも、話し始めることができる。加えて、光輝は笑顔でいるので、緊張しながら話しかけていた、大和の方も安堵の表情が見られる。
「地下鉄とJRだよ。」大和が言う。
「遠いのか。俺たちは歩きで10分程度だから結構時間違うね。」
光輝と大和が話している間、康介は話さずに光輝の後ろにいながら大和を見ていた。
「えっと。康介くん。俺なんか変かな。」ずっと視線を感じていた大和が耐えれ切れなくなり、聞いた。
「え。全くなにも。普通だと思うけど…」康介の声は最後の方は聞こえるか聞こえないかわからなかった。
「そっか。よかったよ。つい足見られてるのかなって思って。」
「足?」今まで口を開かなかった康介がつい声を出した。
「うん。足。俺って手足がめっちゃ短いの。別に気にしてるわけじゃないけどね。」
「あーたしかに短い。」康介が言った瞬間光輝から腰にチョップが入った。
「康介ストレート過ぎでしょ。」光輝は笑顔で言った。
「康介くん。さすがに初対面でストレートに言われたのは初めてだよ。」大和の表情も笑顔になっていた。
「ごめん。ごめん。あとやっぱり、康介でいいよ。」
「わかったよ。康介。」
「じゃぁ。これから大和のあだ名は短足白髪おじさんだなー。」光輝が笑いながら言う。
「うん。わかった…って嫌だよ!!白髪も攻めてくるなんて。すごい二人だ。」
「今。わかったって言ったよね。」康介がニヤッとしながら言った。
「うん。言ってた。」光輝も便乗した。
「待って。待って。言ってないよーーー。」
康介、光輝、大和の3人はその後も話していた。クラスメイトが集まり始めると、男子生徒はすぐにこの3人のとこに来て、集団を形成していった。女子生徒は女子集団を形成していった。
8時30分の予鈴がなる直前まで教室の後ろは男子集団、前は女子集団と賑わっていた。
「おい。みんな聞いてくれ。吉岡大和のあだ名は短足白髪おじさんだぁーーー。」
光輝が盛大に発表すると男子全員で笑いあった。康介も漏れることなくみんなと少しずつ話し始めていた。
8時50分。1時間目のチャイムが鳴った。教壇には横沢が立っている。クラス全生徒が緊張した雰囲気を出していた。
「では1時間目を始める。今日は昨日出来なかった、この私立札幌帝国高校について話していこうと思う。まずは新1年生全員に配られるプリントと、学校規則表を配る。」そういうと横沢はプリントを配り始めた。
「届いてないものはいるか。」横沢はクラスを見渡す。
「問題ないな。では始める。学校規則表を開いてくれ。このクラスに特に関わるものについてのみ話す。一つ、ー制服の着用。一つ、校内での携帯の使用禁止。一つ、赤点を取った場合退学とする。一つ、クラスルール作成を認める。ただし、1組、2.3.4組、以降の組で作成できるルールには差がある。と、こんなとこだ。君たちにとって興味あるのは最後のクラスルールだろう。簡単に言うなればクラスルールとは俺との戦いだ。俺の指定した点数を超えれば君たちには自由が与えられる。代わりに指定した最低ラインを超えれなかったものには強制的にこのクラスから降りてもらう。俺の言う自由とは、私服登校と、校内での携帯の使用を認めることだ。」横沢は表情を変えずに言った。それまでクラスルールへの疑問でいっぱいだった生徒たちの表情が一気に明るくなった。
「とりあえず大方の規則はこれくらいだ。あとは社会モラルに則り行動しろ。質問のある奴はいるか。」横沢が言い終わると、一人の男子生徒が手を上げた。光輝の後ろの席の入試成績2位、前田だ。
「では、前田なんだ。」
「横沢先生が言うクラスルールは学校の規則を破っていると思います。たかが1クラスのルールが学校全体のルールを上書きしてもいいのですか。」
「ん。いい質問だ。確かに他の1クラスがこのルールを作ることはできない。しかし、もう一度言うが、1組、2.3.4組、以降の組で作成できるルールには差がある。これは何を意味しているか、、、1組ではいかなるルールでも作っても良いということだ。2.3.4組には退学免除くらいしかできない。君たちはこのクラスに在籍し、俺の基準を越えさえすれば、学校生活をより自由に過ごすことができるのだ。この1組のクラスルールは他クラスにも伝えられる。因みに前回卒業させた生徒は全員が初回のテスト結果以外、すべてのテストで俺の基準を超えてきた。」最後の言葉に喜ぶものもいれば、困った顔する生徒もいる。
「次に私立札幌帝国高校のシステムについて。この学校では校内実力テストが年に2回ある。それ以外の大型テストはない。成績をとりたいものはこのテストをやれ。点数を取った者には無条件で最高評価が与えられる。しかし、この校内実力テストの趣旨は君らの成績にはない。趣旨はクラス替えだ。テスト返却後、学校玄関前には学年順位が貼られる。学年順位30位以内の生徒には1組所属権が与えられ、自分の所属する学級を選べる。入学試験で1組コースを選択し、入学した君たちも順位が低ければ無条件で他クラスへと配属される。例年で言うと、大体入学時4分の3は1組から消える。そして、普通コースから1組コースへと配属される生徒がその穴を埋める。1組コースは設立してから26年経つが、運動コースから配属された生徒はたったの二人だけ。この代がどうなるのかはわからないが、もし運動コースから1組コースに来るものがいたらそいつは、東京帝国大学医学部医学科に行く。まぁそんなことはどうでもいいが、クラス替えがあるのは2年まで、3年になるとそれ以降はクラス替えはない。加えて特例を除いて、1組コースに来ることは校内実力テスト以外ない。必要なことと言えばこんなとこだ。それじゃぁ。第一回目のテストの基準を言う。合計点数で9割超えることだ。」横沢は言い終えると教室から去ろうとしていた。横沢が教室を出たと同時に授業終了のチャイムが鳴り響いた。
チャイムがなり生徒が塊になろうとすると、突然横沢が教室に戻ってきた。
「言い忘れてた。次からのホームルーム三つは抜き打ちテストだ。範囲は中学までだ。余裕だろ。」
「えっ。」
「嘘だろ。」
「高校受験終わってから勉強なんてやってないよ。」
ほとんどの生徒の顔に焦りの表情が生まれた。
最近はとある海賊の漫画を読みすぎてしまい書くことを忘れてしまいます……ゴムゴムの……
これからは1週間に一回は投稿したいと思ってます!!
ブックマーク1来たのはめちゃくちゃ嬉しいです!!ありがとうございます!!
ってことで今回もせーのっ。吉田しか勝たんっ!!(何事…………w内容に関係ない?)
短足白髪おじさん!!!