入学2
大きく展開させたつもり?です
お願いします!!
保護者が入り始めてからどれくらい経ったのだろうか。いや。実際にはほとんど時間など過ぎていない。康介は、ふと前を見たときに担任と目が合ってから時間が遅く感じていた。
教室内に保護者が入り終わると、担任が話し始めた。
「1学年1組担任。横沢隆。出身大学、北帝国大学。42歳。1組を持つのは2回目。私に関することは以上だ。」
低い声だった。教室は重い空気が広がっている。保護者からの不満も大きい。しかし、横沢は気にせず続けた。
「私は基本的に1、2年に興味はない。そして、生徒と親しくするとかいうことにも興味はない。だが、もし君たちが3年次に1組に在籍しているのなら絶対に損はさせない。断言する。志望大学に絶対に導…」
「なぜそんなことが言えるんですか?断言なんてできないのではないのでしょうか?」
横沢の態度に我慢できなくなった保護者が声をあげた。周りの親、一部の生徒も同じ顔をしていた。
横沢は待ち構えていたことが起きたように急にテレビの電源をいれた。
「今から前回私が卒業させた14名の生徒の3年前を見てもらう。つまり3年前のこの教室の様子だ。」
右前の男子生徒が立っている。光輝の場所だ。そして、教壇の前には横沢がいる。
「それでは今から全員。各々の志望大学、又は志望学部をはっきりと言ってもらう。入学課題で書かせてあるものでも良い。」
横沢が男子生徒に対し目配せをすると、一息置いてから
「東京帝国大学。医学部。医学科です。」
男子生徒ははっきりと言った。横沢に反応はなかったが、周りは違った。東京帝国大学は日本最難関であり、医学部は日本医療の最先端。年間100程度しかない合格枠を倍率10倍で争う日本No.1大学。後ろの女子生徒が立つのを躊躇っていると、横沢は女子生徒に目を合わせ、頷く。そろそろと女子生徒が立った。
「北帝国大…経………」
「ハッキリと言ったはずだ。」横沢は圧をかけていた。
「……………」女子生徒は黙ってしまった。
その後、順に生徒たちに志望大学を言わせていった。先の女子生徒を含め数名が半泣きの状態で言った。
横沢は一通りビデオを見せ終わると、プリントを保護者含め全員に配り始めた。
「このプリントには、前生徒の志望大学と進学先を示している。」
「えっ」保護者の誰かから声が出ていた。
出席番号 志望大学 進路先
01番 北帝国工 北帝国工
02番 北帝国医 北帝国医
03番 東京帝国医 東京帝国医
………………………………………………………………
1から14番まで志望大学から進路先で違いがあったのは2人。しかも二人とも進路先の方が難関大学。
教室にいる横沢以外の人が全てプリントに釘付けになっていた。
「これが私が君たちを導ける根拠である。」
先ほど声を上げた保護者は下を向いていた。
「副島光輝。起立。」横沢は急に言った。
「はいっ。」光輝は反射的に立っていた。
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