code1.はじめまして世界
微かに夏の蒸し暑さも増すセミの鳴き声のする夜の町にひとつの灯りがあった。
毎晩毎晩、飽きずに目の下には薄黒いクマが見事に出来ており、髪の毛もお手入れなんてしてはなくボサボサのショートカットヘア。
この辺じゃ『露野瑠依』と言えば将来ニートで有名のちょっとは名の知れたゲムヲタである。
当たり前のように昼夜逆転生活を送り学校は睡眠場所と言うほど来て直ぐに寝ては放課後に目を覚ます問題児である。
そんな問題児もいつもの普通が壊れるなんて思ってはいなかった。
朝、教室に入り寝ぼけながら席に着いた。
その日は寝ぼけているからなのか……クラスメイトの姿が少し違って見えた。
いつも通りの人もいればツノが生えて見えたりしっぽが薄く見えたり背が少し低く見えたりガタイがよく見えたり……
とにかくいつもと違って見えたのだ。
寝ぼけているからだと、そのまま伏せ寝して眠りに着いたが最後、
有り得ない事が起きた。
これが、よく言う異世界転移という物なのだろうか?
賢者や術者などはいなかったが、
代わりに崖から唐突に落とされた。
崖の岩角に運良く捕まったがゲムヲタを舐めては行けない。
もちろん、兼ね備えたのは指先の力であって筋力がある訳では無い。
力なくして、そのまま落ちた。
バシャンッという音と共に何故かいつもと違う感覚に襲われた。有り得ない情報量が頭に流れてきたのだ。
??『call……反応良好……成長調整を実行致します……転生者……"露野瑠依"異世界異端分子として転生逆転を実行。……露野瑠依……望むものはありますか?』
何も考えたくなかった……余りにも情報量が流れ込みすぎていつものように気楽に寝ていたかった……
だから僕は
『眠い……』それだけだった
??『all……了解……それでは最後の能力譲渡に移ります……ルーレット……希少種……黒鬼……阿修羅を選択……それでは転生逆転実行……良い旅路を……』
後で知ったのはそこは転移川と呼ばれる黄泉の国に近いところでそこに落ちると……
『『偉人』』になるとかならないとか……。
目が覚める……声が上手く発せれない
「うっ……うぎゃぁあ(!?)」
赤ん坊に戻っていた。
そして、白髪の綺麗な美人に抱かれていた。
「あら?眠り姫……起きましたか?……良かった……傷も深くないしなんで川岸に落ちてたのか分かりませんが目が覚めて良かった……幼子の命とは大切にですから……」
そして、その話をしながらザクザクっと足を運んだ先にはとあるおじいさんがいた。
『アラクネ=フェゴール』名の知れた術者でその能力から疎まれた為か身を隠した。
「……貴方が最後の人生くれるならば死を選ぶならば……この幼子を見事に育ててみなさい……恐らくそう遠くない先、本家より物語に添い迎えが来ます……しかし、この幼子は貴方が育てるのです……それが最後の導きです……」
そういうと女性は僕をおじいさんにそっと委ね姿を消した。
それが、僕の『異世界転生』のはじまり
『おはよう……初めまして異世界……』
5年後……
僕は大きくなった
どうやら、この世界は魔力というものが存在しているらしい。お師匠『フェゴール』に教えてもらった。
何かあったらいけないからと毎日、お師匠と組手をし術書の解読、精神コントロール……それをする毎日だった。
そんなさなか、僕は気づいてしまった……
『お師匠……もしかして……僕って魔力ないのかな……』
魔法を使おうと試しに魔力を感じてみた……あるにはある……しかし、日々の精神統一でわかる……僕にあるのは微かでそこらの5歳とは明らかに違う……
魔力が弱すぎるのだ……
『何を言う……ある……しかし、魔力が普通より少ないのは事実……少し試してみるか……』
そう言うと、師匠は何ら変わりない水を持ってきた。
ぷるんっとふわふわ浮いていてなんとも可愛い……。
『少しだけここに魔力を通してみるといい……』
限りなく少ない感じにくい魔力を踏ん張って出した結果、
おならと共に出てしまった……
お師匠ごめん……漏らしてないだけ許して……。
『お前って奴は……まぁ、いい……ほれ、見てみろ……』
お師匠が言う通り、覗いてみると青い膜が中で強弱をうち、その中で更にピンク色の膜が現れ一瞬で大きくなった。
『これは第2形態の属性と言って……お前は心耐性が強いみたいだな……』
「だって鍛えてましたから(ゲームで)」
『む?』
「……なんでもないです……続けてください」
少々、お師匠を混乱させながらもお師匠にこの世の属性について教えてもらった。
ひとつ……種類は第一形態と第二形態が存在する。
基本的には第一形態の属性を魔力と共に身につけてから、
ある節目を迎え魔力コントロールができるようになると第二形態が現れる場合が多い。
第二形態の取得は困難なために大人でも持ってない人は多い。
第一形態は【水・火・風・土・光・闇・無】
そして第一形態は『心·技·体』であり、会得すると加護が加わり強さに比例して加護が何重にも膨れ上がるようだ。
そして、その第一形態を飛ばし第二形態からの発生を異例にした僕は加護が大きいため、第一形態を迎えることが難しい……無能力のようなものとなっている。
しかし、方法はある……
ひとつは完全に加護をコントロールすること。
すると、魔力もあがり次第に少しずつ第一形態の表れが見えると師匠はいった。
ただ、ひたすらに師匠の言葉を信じて鍛錬に勤しんだ。
『そういえば最近、寝てないな……』
https://ncode.syosetu.com/n8289gi/類RUIの主人公の超短編集も宜しくお願いします。
風雲縷依、動きます。
感想コメントなど頂けると今後のやる気に繋がります。
これからも宜しくお願い致します!
七夕の連載開始なんてなんてことだ、
雨でも織姫と彦星様方会えると嬉しいです……