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プロローグ

宜しくお願いします!

「これより新たなる勇者を 決定する!」

シワだらけのジジイが開催のアナウンスをする。円形のコロシアムの中心に4人の勇者候補が立っている。金髪でいかにもヤリチンくさい男、カムラ。メガネで誠実そうな男、ウタル。緊張を隠せない汗ダラダラ男、ドン。そしてめちゃくちゃ眠い俺、サクだ。観客席にはとんでもない数の人間がこちらを見てる。

「では、候補者は四方に散らばって下さい!」

この決定戦は四人で一斉に戦い最後に残ったものが勇者となれる仕組みだ。ただし剣と魔法のみ使用を許され、リタイヤは認められない。俺は勇者なんてやりたくねぇ。家でポカポカハーレム生活するのが俺の生き方である。ではなぜ俺がここにいるかというと、父親が元勇者なのだ。そんでもって勝手の候補にされ今に至る。その上父親が元勇者で割と実績があったため俺は結構期待されているらしい。ぼーっとしてると俺以外の他の3人は剣を抜きとっくに構えていた。俺はため息をつきながら遅れて腰から剣を抜いた。すると観客席からとんでもない殺気を感じた。俺は悟った。ああーこの感じ久々だな〜。ちらっと殺気立つ方へ目を向けると鬼顔の父親がいた。うわーおっかねーめっちゃ見てる。やば。

「それでは、試合開始!!」

ジジイが開始のゴングを鳴らした。おい待てよ!心の準備ができてねぇよ!あと50年くらい待って!

そんな俺の心の声は彼らに届くわけがなく3人は一斉に走り出した。そして猛スピードでこちらに向かってくるのは金髪ヤリチン野郎だった。

「なになに〜そんなに急いでどうしたの〜?一旦落ち着こ!ね!」

「黙れ!試合中だぞ!」

彼は俺を論破しながら火を纏った剣を振り上げた。

「やっべ!」

俺は慌てて横に転がり回避する。だが、それを読んでいたのか二撃目がくる。やばい、死ぬ死ぬ!

キィンと金属音が鳴り響く。剣で受け止めたものの俺は数メートル飛ばされた。こんなガチなのみんな!?どんだけ勇者したいんだよ!サシでやったら死ぬなこれ。俺は全速力でメガネとダラ男が戦っている方へ向かった。当然ヤリチン野郎は後を追ってくる。アレを使うしかないな。

二人に追いついたと同時にヤリチン野郎の攻撃がきた。

今だ。

「浮遊魔法!」

俺は全力で真上に飛び、ヤリチン野郎の攻撃を回避できた。それと同時にヤリチン、メガネ、ダラ男は仲良く3人戦闘不能になった。そう、俺はメガネとダラ男が同時に強攻撃を繰り出す瞬間を見計らって近づいた。さらに俺が回避すればヤリチン野郎の強攻撃が加わり、当たらなくとも衝撃波は相当なものだろう。いやーギリギリで回避できてよかった〜危うく死ぬとこだったわ〜さて、帰ろう。……ん?……あ、やばい。…勝っちゃった…ぁぁああああぁぁぁ!!!!!やばいやばいやばい!!!

「納得できるか!この卑怯者!」

絶望のあまり空中で固まっていると、観客席からヤジが飛んできた。そうだ!もっと言ってやれ!俺叩かれてるけど今回は許す!てか叩いて!

会場が一目散に不評の嵐になる。すると、一人の白髪シジイが立ち上がった。

「皆静かに!どんな形であれ勝利は勝利だ。皆が納得できないのもわかる。だが、彼が知恵を巡らせ出した選択が今の結果に繋がったのだ。故に、彼の実力の勝利だ。」

そう国王が言うと会場は瞬く間に静まった。え?王様?そこは失格とかじゃないの?ねぇ?ふざけんな!

「これより、勇者任命式を行う。」

ふざけんなぁぁぁぁぁぁ!!!!!



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