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国家権力の許可

短めです









その機会は突然で




そしてこれ以上はないほどのチャンスだった。




私には、(名前は覚えてないけど)1人の義理の妹がいる。




お父様の愛人は母だけだったからたぶん正妻の娘だと思うけど、私の名前を知らないのか、わざわざ「娼婦の娘」と呼んで、やけに話しかけてくるのだ。




確かに私の母であるアメリアは娼婦だったけど、私を産んだ時点では既に母は娼婦じゃなかったから私が娼婦の娘というのは間違っている。




元娼婦の娘とか、庶民の娘とかならまだわかるが……というか、彼女は人を立場名で呼ぶのが癖なのだろうか?





まぁ、私の呼び方なんてどうでもよくて。





なんと、その彼女が、私の婚約者である王子に私を自由にしてくれるよう頼み込んでくれたのだ。




自分を身代わりにしてまで。





なんか嫌みなやつだし苦手だなーって思ったけど、



「王子から婚約者の変更を許可するって言ってもらったのよ。はい、これ王子からの手紙。最後の招待状よ、これが終わったらあんたはもういらないの」



って嬉しそうに私に話す妹を見て、突然のことに驚きながらも本当に感謝した。







思わず泣いてしまった。




実は優しい人だったのね。






今まで心の中でその輝く黄金の巻き髪を角ドリルって呼んでごめんなさい。





それにしても立派な髪ね、殺傷能力が高そうだわ。





きっと未来の王妃様を暗殺者から守ってくれるでしょう!





泣きながら妹の手を取って、感謝の気持ちを伝えたら、妹はギョッとした顔をして逃げてしまった。



……恥ずかしがり屋?






妹が話していた最後の招待状というのは、王子主催のお茶会だった。




これが最後だとルンルン気分で王宮に行ったら、


王子に、




「実の妹を虐めるなど国母に相応しいはずがないこの国から出ていけ」




とすごい剣幕で怒られて、騎士さんにつまみ出された。



……国から出ていっていいっていわれたよ?





妹を虐めるとか国母がどうとかは


ちょっと意味わかんないけど……






まぁ、なんにせよやっと自由になれるのだ!






王子さまといったらお父様より偉い人でしょ?



その人がいいって言ったんだから、脱走しても私が怒られる理由なんてないはず。






だって、王室の命令はこの国では絶対。





その中でも国王が一番だけど、国王が何も言ってない今なら、王子の命令は効力がある。





つまり、国王に知られる前に逃げれば


私は……





幼くて何も出来なかった今までの十年間、悲観していた時間など一秒たりともない。





なぜなら私は逃げれると確信していたからだ。





私はあの母の子だから、という謎の自信。


そして、幼い頃からの努力の賜物だ。





成長して、学んで、力をつけて


耐えて待ち続けた






そう、私はもう自由なのだ











ジュリアンナ動きます

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