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精霊からのおくりもの

長くなっちゃったかも





かつて、神々はある力を与えることによって、人類を繁栄させた。


《精霊王の祝福》と呼ばれるものだ。



それは地上に住む人類に生きるすべを与えた。



祝福は精霊がプレゼント感覚で気に入った人間に配っているもので、それによって得られる能力はくれた精霊の力によって決まり、人間にはスキルと呼ばれている。



私たちは精霊の気まぐれで繁栄し、


精霊の気まぐれで滅ぶことすらある。



だからこそ、この世界において精霊王は絶対の神として人間に崇められるのだが。




魔族や竜族は、精霊がはっきり見えるからか、生まれた時から誰かしらの精霊と友達になれる。



もちろん私も。



魔族や竜族が圧倒的に人間よりも祝福もちが多いのはそれが理由だ。



《精霊王の加護》は祝福より、精霊との絆も与えられるスキルの力も強い特別なものだ。




与えられる種族は人間だけではないが、加護は一柱の神につき一人にしか与えられないし、祝福も精霊から与えられることはあっても精霊王から与えられることは殆どない。




育ててもらった上に加護までもらってる私が言うのもなんだけど、王たちはみんなすごく癖があるというか、変わっているというか……


まぁ、とにかくキャラが濃い。



あの王たちから加護を貰うって、すごいことだな、改めて思うと。



私に与えられた加護は、

創造神ザモラの加護《創造世界》



アハル教では創造と破壊の神と呼ばれていて、もっている能力はまさにそのとおり。


何も無いところから何かを作り、破壊できる。


ザモラに関しては、人間の言う神様にかなり近いというか、そのものって感じがする。



この世界と、全ての精霊の王だ。



その、すべての精霊の王であるザモラから加護を得ると、他の6人の精霊王からも祝福を貰えるようで、ザモラのおかげで私は精霊王たちと仲良くさせてもらっている。



加護っていうのは、精霊王との魂の契約だ。



ただで力を貰えるわけではなく、死後に精霊となって王の直属で仕えるのだ。



精霊になったときに使えるようになる能力を、早めに使わせてもらっているようなもので、制約も結構多い。




例えばザモラの姉であり妻で、7人の精霊王の長女である、メイスフィールド──兄妹たちからはメイスと呼ばれている──の加護を受けたアリスという人間は数百年前に人間としての生を終え、光の精霊としてメイスに仕えている。



メイスは時と空間の女神と呼ばれていて、その名の通り、時と空間の精霊だ。



一応、光の精霊王と数えられるけど、下にいるのはアリスだけだし、そもそも本人が光の精霊じゃないから正確には精霊王でもないんだけど、他に呼び方も思いつかないし、ザモラの奥さんだから女王様でいいのではないかと思う。




金色の絹みたいな柔らかくて細い髪は神秘的な眩い光を放っていて、慈愛に満ちたトパーズのような瞳は見つめられるとどうしようもなく甘えたくなる、聖母のような方だ。


しかも超胸デカイし、腰はくびれているし、ナイスバディなとてつもない美女。



一見お淑やかな印象で、時に優しく時に超厳しいのは正にすべての精霊の母ってところだけど、完全に夫のザモラを尻に敷いて好き勝手にやっている節もある。



彼女の祝福は《不変の島》

彼女やザモラが住んでいる異空間に私も入れるようにしてくれている能力だ。


その名の通り、時が止まっている異空間の孤島。


隠れるのにも便利だし、物置としても重宝している。




ちなみに。ザモラの《創造世界》は想像した物を具現化することができる能力だ。



錬金術の超進化版みたいだけど、結構使うのが難しい。


作りたいものの形、色、使い方、用途、素材、大きさ……など、そのもののすべてを理解し、事細かに設定しなければならない。



しかも出したものが想像以上の効果を出すことはなく、元の状態から形や使用方法を変えると、消えてしまう。



つまり、物質の仕組みを理解することが前提の能力で、死ぬほど勉強して知識をつけなければ使うことすらできないのだ。



そんな能力だけど、不変の島とライナの能力と並行することで、私は創造世界を使いこなすことができている。



創造世界を使って私が作ったものは不変の島の中では私が消すまで消えない。



そして、ライナグルの祝福は《司書》



ライナが閲覧を認めた情報であれば、調べることができる。


知恵の神と呼ばれるライナらしい能力だ。





ライナは妥協が嫌いで完璧主義者なので、私相手でも結構厳しくて、閲覧資格取得もライナの匙加減だけど。



ただ、目の前に文字が浮かんでくるというか出てくるので、本を読んでるという感じは全くなく、研究中や実験中に資料を見ながらできないからちょっと不便なのだ。



そこで、私は創造世界で、ライナの情報を本にして読んでいる。


読み終わった本は不変の島に建てた図書館にしまえば、いつでも読みに行けるっていうわけだ。




ライナグルも、島の図書館が気に入っているらしく、頻繁に訪れる。



不変の島という便利な物置のおかげで、整理整頓や片付けが苦手な私の代わりに本棚を整理してくれたりもしてる。


もはやライナ自身が司書さんみたいだ。




私の家庭教師もしてくれるし、ライナから出された課題について私自身の考えを話したり、答えがないことについて議論したりするのも楽しい。





たまに遊びにくる火の精霊王のブレア様は、ライナのことを“まじめがね”とか“鬼畜眼鏡”とかすごい幼稚なあだ名で呼ぶ。


正直言ってライナを挑発するのはやめて欲しい。




ブレア様と喧嘩してるときのライナはただの口喧嘩まではちょっと子どもっぽくて可愛いんだけど、キレると鬼畜腹黒モードレベルMAXになって周囲に冷気を放つから私の心臓が持たない。




ブレア様は火の精霊王だから怒ると熱くなるけど、ライナは何故か凍るのだ。


風の精霊王なのにどういう仕組みなんだろうって本人に聞いてみたことがあるけど、



普段は無表情な美しい顔で


『なんのことですか』



って微笑まれた。




惚れるところだった。

イケメンは怖い。








ブレア様はライナの弟で、脳筋な弟と頭脳派兄でウマが合わず、会う度に喧嘩しているけど、お互いなんだかんだ仲がよくて息がぴったり。


作者的にものすごく好ましい関係です♡

もちろん2人の絡みも番外編で書きます

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