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逃がしたくないなら周りを固めろ

ちょくちょく修正入れていくと思います。





アルクイン王国の宰相ガウェイン・オースティン公爵の娘にして、王太妃候補


貴族令嬢としても、王太妃としても非の打ち所のない淑女で、アルクイン王国で一番美しく、聡明だと大陸の周辺諸国まで名が知られている



……というのが、城下の人々が知る、

私ことジュリアンナ・オースティンの姿。




自分の立場を知りたくて、でも私は好きに動けないから、信頼出来る侍女に領地の街や城下の町へ聞き込みに行ってもらったんだけど。




ちょっとどころかだいぶ盛りすぎだ。



王太妃に相応しいとか淑女だとか聡明だとか……


そんなことを判断できるほど夜会や茶会などの公の場には参加してないし。


塔からでないので屋敷に訪れたお客様に会うこともない。



どうせお父様とか、公爵家に擦り寄る貴族様たちが、私が王妃になったときに平民の支持を多く得られるようにした情報操作だろうから、こんな恥ずかしい情報はスルーしておこう。



申し訳ないけど、その苦労は今に意味がなくなるしね。



優秀な魔術師とかだったら素直に喜べるのに。




まぁ、私が魔法が得意だってこと、知ってる人はいないと思うけど。


だって、精霊さんが教えてくれたから私は魔法を使えるけど、人間の大人は誰一人として教えてくれないんだもん。



お父様は魔法の魔の字でも出ると睨んでくるし。


たぶん、私に強くなって欲しくないんだね。




私にいい感情を持っていない貴族達は私を傲慢だの我儘だのと言いたい放題だもの。


王妃に必要ない魔法よりはそういう貴族を黙らせるためのお勉強が必要ってことかな。





容姿についての噂も、髪の色すら正しく伝わっていないようだし、姿絵だってまだかいてもらってないんだから広まっているわけはない。



こんな漠然とした情報しかないってことは、

逃げても平民にはバレないってことだよね。



時期王妃と言っても公爵家の妾の子だし、

みんな興味ないのかなぁ?


ちょっと、ちょろすぎて逆に怖いかも。




まったく、お父様も含めてちょっと甘すぎじゃないかな。




それとも、私が逃げる可能性とか、

考えてなかったりする?



逃げてもすぐに見つけて捕えられるとでも?



それにしても、王子と婚約させてまで逃がしたくないなら、最低限、姿絵回して国民に顔覚えてもらうくらいはしてないと、もし私が逃げた時に目撃情報集めにくいだろうし大変なのに。



まあ、好都合なんだけどね。




まさか、私の魅力を、私自身が知らないとでも思っているのだろうか?




自分の価値を知らないままで、使いこなせないまま生きているなんて、とんだ愚か者だ。




だって、動物だって生き残るために自身の持つすべての能力を最大限に使っているのに、それをしない人間といったら楽をして生きようとする怠慢か、本当に気づいてない無能かのどちらかだろう。




私が今までやってきたことはすべて私の価値だ。



完璧な淑女としてのマナーや、王太妃としての立ち振る舞いに、政治経済の知識。


語学力、音楽芸術に長けていること、

魔法の知識に実戦魔法のセンス。




……いくつかは無駄になるけど。



だが、周囲の人間が求めているものが違うことも知っている。



愛人の娘というのは、今からすぐに、追い出されて庶民になってもおかしくないほど脆い地盤だ。




そんな私がここにいる理由、

閉じ込められてまで生かされる理由。



それは、私の膨大な魔力量だ。





国やお父様は私の魔力を欲している。



人間は普通、誰かが突出して魔力が高いということはない。


たしかに例外はいて、

その人達は俗に言う天才だ。



どうやら私は王宮の貴族たちの間では、千年に一人の天才と呼ばれているらしいが、それは私が人間だったらの話で、実際私は完全な人間ではない。



私の母は魔族なので、

私には半分以下の魔族の血が流れている。




半分以下だけだというのに、私の魔力量は魔族の平均量をゆうに超えているので、結局私は天才なのかもしれないが。



当然、私に魔族の血が流れていることを知ってる人はいないし、知る手段もない。


お父様ですら知らない秘密だ。



要するに私に関する周囲の評価は、人間にしては異常に魔力が多くて、貴族の娘だから国に縛り付けるのも容易くて、訓練しだいでどんなものにでもなりうる、都合が良い人間兵器、という認識だろう。



様々な事において利用価値が高く、貴重な人財だった私。だからこその王子との婚約だ。




私が認知された直後のお父様の行動は速かった。



すぐさまドレスの採寸に向かい、家庭教師を付けられて、魔法と全く関係ない、興味が無いことを色々学ばされた。


裁縫、楽器、ダンスにマナーに国の歴史に帝王学……それが王子と結婚させるための教育だったのだと気づいたのは婚約の話をされた時だったけど。




社交界デビューのときに私は初めて領地を出て王都に足を踏み入れたが、他の貴族は親に付き添ってお茶会に参加したりしていたらしく、公表されていなかった公爵家の娘の存在に、会場の貴族達はざわめいていた。

かなり好奇の視線を向けられたのを覚えている。


デビューしてから何故か大量のプレゼントが届くようになったのだが、私は正直宝石以外いらなかったのでほとんどお断りしていた。


13歳で魔力を持つ貴族の子供は学園に通うことになり、入学前に試験として魔力を測るのだが、私は学園に通わずみんなより遅れた15歳の時に魔力だけを測った。

そしてその後すぐに王太子との婚約が正式に決まった。



城に務める貴族は普通王都の屋敷に住んでいるということも、父が宰相をしているということも、


王都にいる父の代わりに兄が領経営をしている

ということも、


正妻の娘である腹違いの妹とやらもいて、

王都に住んでいるということも




その時初めて知った。




そういえば、塔から屋敷を眺めているときも使用人の姿しか見えなかったなぁと納得したが。





7年間私の存在に気づかず、3年間愛人が逃げたことに気づかない男ってどうなんだ?って思ってたけど、どうやら私が生まれる2年くらい前に終わった戦争の後始末に追われてたとか。


政治って難しいのね、同じ案件で何年も議論したり、新しくいい政策考えたりしなきゃいけないんだから。


やっと事態が落ち着いて、疲れて癒されようとして帰って来たのに愛人に逃げられてるって、なんかすごくかわいそうな気もする。






──婚約発表の舞台は、国王陛下主催の社交パーティ。


王子の15歳の誕生日で、

私もそのとき15歳だったけど……



普段から貴族社会なんて汚いところにいるから、


あんなに荒んだ、可愛げのない子供になってしまったのかね。



私を王国に縛り付けるための、それだけの婚約だ。


私が庶民だったら、流石に王子と婚約なんてされられなかっただろう。




ちなみに、私は王子が嫌いだ。


婚約だなんて冗談じゃない。

ましてや結婚なんて。



女はみんな馬鹿だと思ってんのかわかんないけど、甘い顔して甘い言葉吐けばいいってもんじゃないんだよアホなのかな。



言葉の節々に嫌味がみえるし、目笑ってなくて怖いし、くっさいセリフ吐くし、スキンシップ激しいし。


私をなめてるっぽいから嫌い。




恋愛小説でも参考にしてるのかな?


私は恋愛小説はあまり読まないからわかんないけど、王都では色々なジャンルの恋愛小説が流行ってるらしい。



物語の世界の王子様を絵に描いたような美しい容姿、そしてリアル王子という肩書きはどうやら世の女性方、特にパーティで間近に見ることの出来る貴族の女性に大人気みたいだ。




私はあんたの地位にも顔にも興味ないから、私を口説いて従順な妻にしたいとか考えてるなら諦めるべきだね。



国の禁術書をすべて献上するなら、いうこと聞いてあげなくもないけど。



なんて、口に出したら不敬罪で首が飛ぶどころの話じゃないな。





なんか……文才ないですねすみません

読んでてびっくり

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