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無駄物語

絶対に笑ってはいけない無駄話

作者: 猫車るんるん

 会社の命運を賭けた大切な取り引きのある朝に、ジョンは寝坊してしまったんだ。

 バス停まで走って行ったが、あと少しのタイミングで、バスはジョンを置いて行っちまったんだってさ。

 次のバスを待っていたら取り引きに間に合わないと思って、絶望的な気持ちになっていたジョンの前に、幸運にも一台のタクシーが通りかかったんだ。

 ジョンは急いで手を挙げて、タクシーを止めてから、焦って乗り込むと運転手にこう言ったのさ。

「ヘイ! 前のバスを追いかけてくれ!」ってね。


 えーと、この話のどこが面白いのかと言いますと──。

 やっぱり滑ったギャグのどこが面白いのかを、自分で説明するのは恥ずかしいので、やめときます。

 最近は、大晦日にダウンタウンの「笑ってはいけないシリーズ」を放映するのが恒例になってるみたいですね。

 自分はあんまり見てないのですが、あれだけ毎年放映されるということは、好評なのでしょう。

 自分も時々、見てみようと思ってDVDを借りてきて見てみるんですけど、時間が長すぎて全部見終えないまま、返却期限が迫ってDVDを返してしまうんですよ。

 それで、次に借りるときには、どこまで見たか忘れて、また最初の巻から借りてしまうんですよね。

 これを何度か繰り返して、ようやく1シリーズを見終わるのが、いつものことなんです。

 ところで、この「絶対に笑ってはいけない」という言葉を聞くと“真面目なスー”の話を思い出します。

 1900年代初めのブロードウェイの、とある劇場で幕間の休憩時間のステージに“真面目なスー”という女性が上がりました。

 すると、劇場側はもしも彼女を笑わせることができたら1000ドルを払うと発表しました。

 それを聞いた、人を笑わせることに自信があるニューヨークのトップコメディアンたちは、次々とステージに上がって彼女を笑わせようとしましたが、“真面目なスー”はクスリとも笑いません。

 そんな毎日が何週間も続いていくうちに“真面目なスー”はブロードウェイの人気の出し物になっていきました。

 それは、そうですよね。毎日、トップコメディアン達が日替わりで芸を見せてくれるんですから。

 そうなってみて、ようやくコメディアンたちは普段なら、高額なギャラが発生する自分達の芸を無料で、しかも観客の見ているステージ上で披露していることに気がつきました。

 結局、“真面目なスー”は、登場してから公演が終わって街を出ていくまで微笑みすらしませんでした。

 ちなみに、“真面目なスー”の顔面は麻痺していて、最初から笑うことも微笑むことも、できなかったそうです。

 もしかしたら、公演が終わって劇場側からギャラが支払われたときは、心の中で笑ってたのかもしれませんね。

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