ダイナミックジャスティアースVSデラックスデカイザー
*王都ハナクソ
勇者「逆に攻めてくるとは新しい。正直驚いている」
魔王「こちらも驚いた。人間共も、巨大機械人形を造りあげていたとは」
ダイナミックジャスティアースの瞳が強く輝く。
勇者「いくぞ!魔王!」
魔王「王都もろとも破壊してやる!」
デラックスデカイザーは、ブーストをかけて一気に距離を詰めると、巨大な爪でダイナミックジャスティアースを城に叩きつけた。
魔王「ははは!勇者め、その程度か!」
勇者「くそっ!」
王様「勇者よ」
魔王「王!申し訳ありません、城が」
王様「構わん。それよりも精神を統一しろ」
勇者「精神を統一?」
王様「そのダイナミックジャスティアースは、オーバーテクノロジーを勇者の為に応用したもの。勇者だけが持つ神通力によって、その戦闘力は星の力と同等になるはずだ」
ダイナミックジャスティアースはデラックスデカイザーの接近を蹴りで牽制し、ブーストをかけて跳び上がると、街の中心へと着地した。
勇者「精神統一……」
デラックスデカイザーは瞬く間に接近して、乱暴に攻撃を重ねる。
勇者「ぐああっ!」
魔王「守るだけでは、私には勝てぬぞお!!」
勇者「ええいっ!」
ダイナミックジャスティアースの拳をかわし、デラックスデカイザーは空高く舞い上がると、胸からダークバスターを展開した。
王様「いかん!奴は街ごと焼き払う気だ!」
デラックスデカイザーのダークバスターにブラックホールエネルギーが収束するのが見える。
魔王「飽きたわ!遊べぬ玩具に用はない!滅べ!!」
勇者「精神統一……」
そして、時空を歪ませるほどのデストロイバーストが街に向け放たれた。
勇者「精神統一……!」
王様「もはや、ここまでか……」
勇者「は、やめだあ!!」
王様「え!?」
ダイナミックジャスティアースは虹色のマントを具現すると、デストロイバーストを払い散らせ、空に虹を描いた。
魔王「何っ!?」
勇者「ダイナミックジャスティアースよ!私と共に、正義に燃え上がれ!!」
それに応えるように、ダイナミックジャスティアースの体から虹色の炎が燃え上がる。
王様「おお……!まるで、星の輝きのようだ!」
魔王「あれは何だ!一体何なのだ!」
ダイナミックジャスティアースは虹色の閃光となって、デラックスデカイザーに衝突する。
魔王「ぐっ!おおおおお!!」
続けて虹色の閃光は、自由自在に空を切り裂き、デラックスデカイザーを宇宙へと追い詰めた。
勇者「魔王っ!」
魔王「勇者あああ!!」
砕けゆくデラックスデカイザーは悲鳴をあげながらも、背中からグランドミサイルを十数個撃ち放つ。
勇者「うおおお!!」
拳に虹を集めたダイナミックジャスティアースは、止まることなく前進しながら、それを全て叩き潰してみせた。
魔王「っあああああ!!」
デラックスデカイザーは両手の爪にブラックホールエネルギーを纏わせ、それをブラックネイルとする。
魔王「滅べえええ!!」
破片を散らしながらも、最大速度でダイナミックジャスティアースへと迫るデラックスデカイザー。
勇者「邪悪よ!虹と煌めけ!!」
ダイナミックジャスティアースの両腕からレインボーカラーという刃が突出し、それもまた虹を纏った。
勇者「おおおおお!!」
魔王「っえええあああ!!」
ダイナミックジャスティアースとデラックスデカイザーは、星屑を散らしながら激しく一進一退の攻防を繰り広げる。
だが、ダイナミックジャスティアースの機動力がさらに増し、予測を越えた動きでブラックネイルを砕いた。
魔王「まさか……この私がっ!」
勇者「終局!」
デラックスデカイザーの体をレインボーカラーが容赦なく貫き。
勇者「ダイナミック!ジャスティアーーース!!」
そのまま大気圏を突き抜け、王都の外れにある開けた大地へとデラックスデカイザーを叩きつけた。
王様「うおおっ!」
その衝撃波は、激しく王都を揺らす。
そしてその王都にいる人々の瞳には、空へとふわりと舞い上がる虹の粒子が、とても美しく映えた。
勇者「ありがとう、ダイナミックジャスティアース」
太陽を背に、ダイナミックジャスティアースは、平和に湧き上がる王都を見下ろす。
王様「勇者よ。よく戦ってくれた」
勇者「いえ、当然の」
その時。
魔王「勇者よ」
勇者「っ!その声は!!」
魔王「いずれ王都は、私がこの手で治める!絶望の国へと変えてやる、必ずだ!!はっはっはっはっ!」
戦いはまだ終わってはいなかった。
しかし。
勇者「私は負けない!このダイナミックジャスティアースと共に、お前の野望を打ち砕く!!」
次回。
『正義は沈み、悪は昇る』
魔王との新たな戦いに備え、体をイジメぬく勇者。
そんな彼を、突如筋肉痛が襲う。
その折り。新たな巨大機械人形の出現の報せが届いた。
勇者はダイナミックジャスティアースに乗り込み、急ぎ荒野の町パンティーラへと向かう。
そこには新たな巨大機械人形、ヒョウガラブラホックが待ち受けていた。
その強さは、これから長く続く戦いの熾烈さを物語るほどであった。
次回も熱い正義を地球にぶつけろ!
ダイナミックジャスティアース!!