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魔王と勇者の出逢い方  作者: 行方不明
6/39

サイフゲージ

*ミスターマックドナルド


ふぅ……。軽く食べて帰るかな。


魔王「いらっしゃいませ!!」


勇者「魔王っ!」


魔王「ようこそいらっしゃいました!!」にこっ


勇者「っ!」ゾクッ


魔王「店内で御召し上がりですか?!」


勇者「ああ」


魔王「では、御注文はおきまりですか?!」


勇者「おいお前、一体何を企んでいる」


魔王「御注文は!おきまりでしょうかっ!!」


毒でも盛るつもりか?

いや、それをすれば奴のクビが翔び、かえって私にとって好都合。


勇者「ふっ、何であれまあいいさ」


エビが練り混まれたドーナツバンズの上に、まるごとエビカツにレタスとオニオンをのせてタルタルをかけたら、最後にバンズでその幸せ挟むエビドーナツバーガーにするか。

なにせ、これは私の大好物だからな。


勇者「エビドーナツバーガーひとつで」


魔王「ドリンクを御一緒にいかがですか?!」


勇者「何!?」


しまった!水を頼み忘れた!


魔王「いかがですか?!」


しかし、そういうことか!

お前の企みが読めたぞ!!


魔王「今なら季節限定の、フルーツドラゴンシェイクがオススメですよ!!」


勇者「え、あー、じゃーそれも……」


ぐうっ!私の断れない性格を利用したか!

おのれ!!


魔王「それでは他に、ポテトやチキンなんかも御一緒にいかがですか?!」


同じ手にはのらん!


勇者「あー……いえ、結構です!」へへっ


よし!これで勝機は見えた!


魔王「今だけ季節限定の、コロコロテリヤキチキンなんかがオススですよ!!」


たたみかけてきたー!

しかも季節限定を重ねて利用するとは魔王めっ!

なんと悪知恵の働く奴だ!しかし……!


勇者「じゃ、それー食べてみようかな」


やはりっ!魔王は手強い!

この売り込み上手め!!


魔王「ありがとうございます!!」ぺこり!


ほう。頭を下げるとは、これはいい気分だ。

それに免じて、今日のところは許してやろう。


魔王「では、合計」


ちいっ!想像以上のダメージだ!

悔しいが次こそは、必ずこの私が勝つ!!


魔王「ごゆっくりどうぞ!!」


さーて、気持ち切り替えて体力回復するか。


魔王「…………」にこにこ


ふんふんふ~ん♪


魔王「まいどありがとうございました」ニヤリ

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