ウルトラ買取りMAX
*古代要塞フォーティフィケーション・アガート
案内人「ここは、我が光の国の中心点に位置して、古代より使われております要塞都市です」
勇者「そしてこの建物が」
案内人「はい。唯一、国から御許しを頂いております、益兵売買市場。その名も、ウルトラ買取りMAXです」
勇者「人身売買もそうだが、色々とヤバそうな所だ」
案内人「御安心下さい。光の国より選ばれた警備隊の精鋭達によって、厳しく管理されておりますから。さ、さっそくどうぞ中へ」
門番「ようこそいらっしゃいました!勇者様!」礼
勇者「ご苦労」
ペロンチョ。
勇者「うわ、何だか汗臭くて、すごくゴム臭いな」
案内人「人が多いのもそうですが、何より。特殊なゴムを用いて、商品であるゴリマッチョやベリマッチョ、ガチムチ等を身体拘束しておる為です。ゆえに、どうか我慢なさって下さい」
勇者「うむ。……それにしても安心した。女こどもに老人がいなくて」
案内人「それは、国より法律で厳しく決められたことにございまして。女こどもに老人を売買した者は、ウルトラギロチンの刑に処すと」
勇者「恐ろしい……が、仕方ないな」
案内人「お!あちらのブースで今から取引が行われるようですよ!」
勇者「ではゆこう」
売人「さあ、朝から晩まで殺し合う、血気盛んな糞野郎共っ!今日この市場に、この市場の歴史を変える!驚きの人材が入ったぜえ!!」
うおおおおお!マジかくそったれい!!
勇者「すごい盛り上がりだ」
案内人「この雰囲気を楽しむ観光客もおるほどです」
勇者「ほーん」
売人「それがこいつ!俺らにとって一番の標的……」
てえー……てえー……てえー……♪
勇者「…………」ゴクリ
ててーん♪
案内人「…………」トキトキ
てえー……てえー……てえー……♪
魔王「…………」
てててーん♪てーんてえーーーん♪
売人「魔王だあああああ!!」
何でだあああああ!!
勇者「どういうことだ。本物か?」
案内人「嘘であれば後に八つ裂きとされますが、はてどうでしょう」
売人「嘘だって?だからてめえらは糞野郎なんだ!これを見やがれえ!!」
『魔王のマイナンバーカード』
売人「な?」
きゃあああ!バイブスあげあげー!!
勇者「待て!」
案内人「勇者様?」
勇者「私は勇者だ。彼と話をさせてもらう」スタスタ
ざわわ……ざわわ……。
魔王「勇者……」
勇者「魔王。単刀直入に聞く、何があった?」
魔王「巻頭爆乳……?」
勇者「はぁ……この魔王!私が買った!!」
案内人「なんと!」
売人「こりゃおもしれえ……!いいぜ、もってきな糞野郎!」
おおお……マ、ジ、で!?
勇者「糞野郎とは何だあ!」バキッ!
勇者容赦ねえ!びっくりぴょん!
*勇者専用宿泊邸 M78番
勇者「少しは落ち着いたか」
魔王「ああ。こんなにも美味しいミネストローネを食べたのは久しぶりだ」
勇者「それは良かった」
魔王「しかし、なぜ私を助けた?」
勇者「人助けが私の仕事だからな」
魔王「ふっ……そうか」
勇者「さて。そろそろ話を聞かせてくれ」
魔王「……あれは一昨日の話だ。私はとある町に向かった。新しい兵器が完成したと聞いてな」
勇者「それで?」
魔王「そこで私を待っていたのは、悪の内緒組織ゲストロンだった」
勇者「ゲストロン?」
魔王「ゲストロンについては私も小耳に挟んでいた。謀反を企む不埒な奴らの集まりがあると。それは確かで、私は奴らに捕らえられたのだ」
勇者「罠。だったのか……」
魔王「ああ。そして新たな兵器とは私のことであって、私は奴らに、兵器としてこの肉体を改造されてしまった」
勇者「!」ゾクッ!
魔王「だが。私は脳を改造される前に、二人の科学者によって救いだされた」
勇者「へえ、それで?」ワクワク
案内人「彼は奴らの兵器などではなく」
売人「人類の自由と平和を守る戦士として生きる決意をしたのさ」
勇者「お前達は!」
魔王「彼らが、私を救い出してくれた恩人だ」
案内人「私は技術分野の科学者」
売人「俺は主に力学の科学者だ」
勇者「そうか。全ては私と彼を巡り逢わせるために」
案内人「すまない」
勇者「いや、いいさ。それよりもどうしてだ?この私に何を求める?」
売人「それは、分かっているだろう」
勇者「私は私の仕事を全うすれば良いのだな。彼と共に」
売人「その通り」
案内人「うむ」
魔王「勇者よ。共に、人類征服を目論むゲストロンを壊滅させよう!」あく!
勇者「ああ!本当の戦いはここからだ!」しゅ!




