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魔王と勇者の出逢い方  作者: 行方不明
30/39

突然ですが歌います

*魔王城、大広間


勇者「魔王!追い詰めたぞ!」


魔王「ふっふっふっふっ」


勇者「もうお前は逃げられない!決着の時だ!」


魔王「はっーはっはっはっ!は!?」


勇者「何がおかしい!」


魔王「ま、まへあぐぉ……顎が外れてびっくりした……」


勇者「さあ答えろ!」


魔王「否!」


勇者「……」


魔王「歌います」


勇者「何?」


大広間が大舞台へと、大げさに変形する。


勇者「…………」


その舞台の中央に、魔王は立つ。


魔王「ミュージック、スタート」


激しく盛大なイントロが、メロディと共にボルテージを上げてゆく。


魔王「道端に咲く花のように」


道端に揺れる小さな花

誰も振り向くことなく静かに揺れている


風が吹き雨が降ろうと

誰も見向きもしない


勇者「…………」


それでも花は美しく気高く

誰に言われることなく咲き誇る

ただ命ある限り陽を求めるのは

それが生きる為に必要だから


勇者「…………」


俺は夢が欲しい希望が欲しい

生きる意味理由全てを求める

誰もが見向きしなくても俺は生きたいのさ

在るがまま成すがままに咲き誇りたいから

命ある限り陽を求めるのさ


勇者「…………」ウズ…


道端に揺れる小さな花

誰も振り向くことなく儚くうなだれている


色褪せ葉が散ろうと

誰も気に留めやしない


勇者「…………」ノリ…


それでも花は諦めることなく

決して絶望なんてせず

ただ、ただ、生きようと

涙を流し悔しさに震えるのさ


勇者「…………」ハッ…


~魔王のギターソロは、悲哀の露を振り払う様に、激しく暴れ乱れる~


魔王「俺はっ!」


明日が欲しい未来が欲しい

生きる意味理由全てを歌う

誰もが聴くことなくても俺は歌いたいのさ

誰でなく俺らしく咲き誇りたいから

命尽きるまで歌い続けるのさ


勇者「…………」


道端に揺れる小さな花

誰も知ることなく高く高く陽を目指した


勇者「…………」は…は…拍手!


魔王「ありがとう、ございました……!」ペコリ

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