You shouT
*魔王城エレベーター
勇者「これは助かる」
チーン。ガララ。
勇者「確かエレベーターというものは、ここを押すと」
上に参ります。
勇者「おお。いいな」
チーン
勇者「ん?」
ガララ。
魔王「んん?」
勇者「あ、どうぞ」
魔王「この魔王に向かって無礼だぞ」
上に参ります。
勇者「ま!魔王だと!?」サッ!
魔王「貴様、勇者か!」サッ!
ガクン!
勇者「!?」
魔王「これは……」
勇者「何をした!」
魔王「故障だ」
勇者「は?」
魔王「これは別紙のお試しキットだからな。仕方あるまい」
勇者「別紙のお試しキット?本当のところは、罠ではないのか」
魔王「罠になぜ、私自身が乗る」
勇者「はっ!心中するつもりか!」
魔王「ネガティブか!少し黙れ!」
勇者「いいだろう」
一時間後。
勇者「なぜ、助けがこない」
魔王「この城には私しかいない」
勇者「お前は馬鹿か!どうする!」
魔王「馬鹿とは何だ!このまぬけ!」
勇者「誰がまぬけだ!まぬけは……もういい」
魔王「…………」
一日後。
勇者「壊そう」
魔王「よせ」
勇者「なぜだ」
魔王「この、大きな魔王城セットは、昨日完成したばかりなんだ」
勇者「は?」
魔王「一ヶ月ごとにパーツと雑誌が届き、二十年かけて、ようやく!昨日完成したのだ!!」
勇者「お前は馬鹿か!」
魔王「馬鹿とは何だ!このまぬけ!」
一ヶ月後。
勇者「…………」
魔王「…………」
勇者「そろそろ精霊の加護が限界だ」
魔王「そろそろ悪魔の恩恵が限界だ」
勇者「魔王」
魔王「ん?」
勇者「もう壊そう」
魔王「やだ」
勇者「精霊よお助けえええ!!」
一年後。
勇者「…………」
魔王「…………」
勇者「…………」
魔王「…………」
勇者「……あ」
魔王「なに……?」
スッー……。
勇者「扉、開いたよ……」
魔王「扉、開いたね……」
勇者「…………」
魔王「…………」
勇者「魔王っ!お前この馬鹿野郎!!」バシッ!
魔王「まぬけがっ!もっとはやく気付け!!」ボコッ!
勇者「作ったのお前だろう!!」ゲシッ!
魔王「知っておったら開けとるわ!!」ビシッ!
ぽこぱかぺちぺち。
勇者「はあああああ!!」
魔王「うおおおおお!!」
ゴゴゴゴゴ……!
勇者「これは」グラグラ
魔王「まさか」グラグラ
どんがらがっしゃんどーーーん!!
勇者「あーあ……」ガララ…
魔王「私のお城がぁ……うえぇえぇえん!!」
ちゃんちゃん♪




