G面接
トアル大企業
……カチョン。
勇者「失礼します」
魔王「どうぞお座り下さい」
勇者「魔王!」
魔王「よく来たな勇者。ふふ、ではさっそく面接を始めようか」
勇者「辞退させてもら……これはっ!?」
魔王「ふんっ」
勇者「なんて強力な重力魔法だ。これが、お前のやり方か!」
魔王「そうだ。圧迫面接だ」
勇者「くっ!」
魔王「まずはそうだな……とりあえず自己紹介でもしてもらおうか」
勇者「私は知っての通り勇者だ!こよなく、正義と夢を愛する男だ!」
魔王「ほう。それで趣味は人助けとあるが、具体的には?」
勇者「お前のけしかけたダルメシアンゴリラから王家を救ったり、お前の仕向けた人間同士の争いを鎮めてきた!」
魔王「そこで得たものは?」
勇者「思いやりと愛情……そしてなにより!お前への爆発的な怒りだ!!」
魔王「ふーむ……」
勇者「っああ!」
魔王「次に、弊社で働きたいと思ったその思いは何だ?」
勇者「御社のアニメが……特にロリババア楽園祭が好きです!雛花さんは私の嫁です!!」
魔王「やるな、そこはさすがだ。では続けて弊社で働いた時、私達に与えられるものは何だ!答えてみろ!!」
勇者「くうっ!なんと言うプレッシャーだ……!」
魔王「どうした?ここまできて怖じ気づいたか」
勇者「バカいえ。すでに決まっている」
魔王「ほう。してそれは?」
勇者「情熱だ」
魔王「情熱?バカバカしい!それが何になるというのだ!」
勇者「憎しみが広がると、それがやがて悲しみとなるように。情熱は、やがて希望となる!」
魔王「希望……」
勇者「そして希望は夢へと変わり、いつか必ず現実となる!!」
魔王「……そうか」
勇者「そうさ。理解したか?」
魔王「貴様には未来が見えているのだな」
勇者「ああ。御社の未来が、私の未来だ」
魔王「わかった、とりあえず面接は終わろう。期待して結果を待て」
勇者「はい!本日はお忙しい中。貴重なお時間を頂戴しまして、誠にありがとうございました!!」ペコリーナ
魔王「ゆけ」
勇者「失礼します!」
カチョン……。
魔王「胸が熱い。何十年ぶりになるか……」トクン…!




