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魔王と勇者の出逢い方  作者: 行方不明
11/39

G面接

トアル大企業


……カチョン。


勇者「失礼します」


魔王「どうぞお座り下さい」


勇者「魔王!」


魔王「よく来たな勇者。ふふ、ではさっそく面接を始めようか」


勇者「辞退させてもら……これはっ!?」


魔王「ふんっ」


勇者「なんて強力な重力魔法だ。これが、お前のやり方か!」


魔王「そうだ。圧迫面接だ」


勇者「くっ!」


魔王「まずはそうだな……とりあえず自己紹介でもしてもらおうか」


勇者「私は知っての通り勇者だ!こよなく、正義と夢を愛する男だ!」


魔王「ほう。それで趣味は人助けとあるが、具体的には?」


勇者「お前のけしかけたダルメシアンゴリラから王家を救ったり、お前の仕向けた人間同士の争いを鎮めてきた!」


魔王「そこで得たものは?」


勇者「思いやりと愛情……そしてなにより!お前への爆発的な怒りだ!!」


魔王「ふーむ……」


勇者「っああ!」


魔王「次に、弊社で働きたいと思ったその思いは何だ?」


勇者「御社のアニメが……特にロリババア楽園祭が好きです!雛花さんは私の嫁です!!」


魔王「やるな、そこはさすがだ。では続けて弊社で働いた時、私達に与えられるものは何だ!答えてみろ!!」


勇者「くうっ!なんと言うプレッシャーだ……!」


魔王「どうした?ここまできて怖じ気づいたか」


勇者「バカいえ。すでに決まっている」


魔王「ほう。してそれは?」


勇者「情熱だ」


魔王「情熱?バカバカしい!それが何になるというのだ!」


勇者「憎しみが広がると、それがやがて悲しみとなるように。情熱は、やがて希望となる!」


魔王「希望……」


勇者「そして希望は夢へと変わり、いつか必ず現実となる!!」


魔王「……そうか」


勇者「そうさ。理解したか?」


魔王「貴様には未来が見えているのだな」


勇者「ああ。御社の未来が、私の未来だ」


魔王「わかった、とりあえず面接は終わろう。期待して結果を待て」


勇者「はい!本日はお忙しい中。貴重なお時間を頂戴しまして、誠にありがとうございました!!」ペコリーナ


魔王「ゆけ」


勇者「失礼します!」


カチョン……。


魔王「胸が熱い。何十年ぶりになるか……」トクン…!

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