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橙の章 第1節
結局、辿り着いた場所で待っていたのは孤独だけだった。
あんなに必死でもがいたのに、待っていたのは望まぬものだけ。
今あるのは、孤独と憎悪。
全く、嫌になる。
「……ッ」
誰とも知らない男に。
「……くそッ」
善と謳い、大切なものを奪っていた天使共に。
「くそッくそッくそッ‼︎」
憎い存在全部殺したって家族は戻ってこない。
そんなことは解っている。
解っているはずなのに、殺したくてたまらない。
『復讐なんて意味はない』
今は死んだ少女の言葉が、頭の中で反響する。
「……そんなの嘘だ」
死人は戻ってはこないだろう。
だが、この心に空いた穴は埋まるだろう。
「……」
固く心に誓う。
憎むモノ全てを殺す。
その日、彼らが神や天使や悪魔の相手に大忙しだったその日。
世界の何処かに、緑色の雷が落ちた。




