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色とりどりの黙示録  作者: owen
第2章 開幕
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赤の章 休憩中

 

 この町の夜はとても静かだった。

 無駄に横幅のあるヒビ割れた道路を走る車は五分に一台あるかないか。

 点滅する街灯もあって、ここが田舎ではないかと思わせる。

 田舎と言えば、見渡す限りの田んぼと山々。コンビニすらない集落、そんな感じだが…………、

「……コンビニ、あるよな」

 辺りを見てみると、背の高いコンビニの看板が見えた。

 田んぼもないし、ここは田舎ではないらしいが、最近のCMで見るような新築があるわけでもない。

「そういや、海が近いって言ってたよな」

 散歩に行くなら是非とも寄るといいと、華凪が言っていた。

 適当にほっつき歩いて迷子になるより、ここはおとなしく海に行ってみようか。


 岸に着いた。

 心地よい潮風が迎えてくれる。

 岸に腰掛け、足を休める。

 ここから家まで大した距離ではなかったが、戦いの疲れもあっていつもより体力が低下した気分になる。

 それなのに散歩を思いついたのは、自分自身気分転換が必要だと判断したからだ。

 今日の事を振り返ると、どうも気分が滅入って仕方が無い。

 あのヤルスノクラスクとかいう町の住民は全員助かった。悪魔の企みに巻き込まれてしまって気の毒だが、住民達のことが気掛かりなわけじゃない。

 問題は、瀕死の重傷を負った住民達を救った咲の方にある。

 ウリエルに居場所がバレたのも、きっと彼女が原因だろう。

 このまま彼らと行動を共にしていていいのかが不安だ。自分の問題に彼らを巻き込みたくない。

 彼らは強い。その強さを目の当たりにした。

 彼らなら、きっと咲を守れる。今までだって守ってきた。

 だが、彼女を守るのは俺の役目だ。

 満足に果たせないのに、そう断固として使命感を張り続ける信念。我ながらどうかしている。

 力も無いのにどうやって守れると言うのだ?

 根性で天使は倒せない。

 そもそも、人間の力では天使は倒せない。

「……おっと、いかんいかん」

 ここで弱気になっちゃ、咲がますます弱気になってしまう。

「また修行始めないとなぁ」

 単純な体作りならここでもできるが、実戦演習はどうしようか。

 叶あたりに頼もうか…………あぁ、そういえば右腕折れたんだっけ。

 じゃあ、

「……黒希しかいねぇよなぁ」

 シノはどっか行っちゃったし。

「明日にでも頼んでみるか……」

 立ち上がり、体を伸ばす。

「そうと決まれば早速」

 家に向け走り出す。

 まずはランニングから始めよう。
















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