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色とりどりの黙示録  作者: owen
序章
48/97

サイドストーリー.1-4

 

 振り下ろされた氷の巨斧きょふを、レオンは刀剣と鉈で受け止めた。

「ッ……」

 重い。ただただ重い。

 ルシファーの背後で冷気が集い、集束され、多数の氷柱となってレオンに放たれる。

 それを、ライカが影を操り壁を作って防いだ。右手の大鎌をルシファーの胴体へ向け、横合いに振るう。

 ルシファーは後方へ跳んで、避けた。

「思ってたより強くないな、お前」

 ライカが挑発気味に言う。

 ルシファーは表情一つ変えず、

「お前も、まだ本調子とは言えなさそうだが」

「お前を殺すのには十分だ」

「……」

 レオンには、ライカが活き活きしてるように見えた。微笑を浮かべ、鉈を逆手に持ち替える。

「ルシファー。お前に、ここで死ぬ気はないはずだろう。退け。見逃してやる」

 レオンの言葉に、ルシファーだけでなくライカまで驚いた。

「はぁ? 何言ってんだよレオン! ここで始末しておかないと……」

「今は、涼風達のことを優先する。それに、多分俺達では勝てないぞ」

「どうして……?」

 ライカは何かに気付き、天井を見上げた。

 何か黒い物が天井を犇いた。

 亡者の魂だ。

「奴は魂を喰らって力を得ている。今の俺達が本気を出せば、勝つ可能性もあるだろう。だが、奴を追い込んだら何をするか分からない。涼風達のことを考えれば、退いた方が賢明だ」

「……チッ」

 ライカは悔しげに舌打ちし、ルシファーを睨みつけた。

 ルシファーはライカからレオンに視線を移した。

「俺がお前達を逃すのではなく、お前達が俺を逃してくれると? 余程、俺は下に見られているらしいな」

 レオンはため息を吐き、

「……なら、ここで殺すまでだ。ライカ、分かってるな」

 ライカは頷いて、数歩下がった。

 それを確認してレオンが、

「容赦する義理はない」

 彼の左肩に、翼に似た形の蜃気楼なようなものが現れ、すぐに消えた。

 すると、彼の両手にある刀剣と鉈の刃が白い光に包まれた。

 得物を構え、駆け出す。

 ルシファーが氷の斧を、横へ薙ぎ払うように振ってくる。

 レオンはそれを跳んで避けると、斧へと刀剣を振り下ろした。

 刃を包む光の正体は、魂。自身の魂で刃を塗り固めたのだ。ごく僅かな存在にしか破壊できない魂で包んだ刃は、氷などいとも簡単に粉砕できる。

「ッ」

 苦し紛れといった様子で、ルシファーが冷気を宿した左手を突き出してくる。右手には、すで新たな巨斧を作り出すべく冷気が集束しつつあった。

 そうはさせない。

 左手の鉈を順手に持ち替え、ルシファーの左手首から下を切断する。

 地面に足を着け、足に力を込めてバネのように跳ねる。

 右手の刀剣で、一閃する。

「ぐぁッ……」

 ルシファーの胸から血が溢れ出す。

 ルシファーの背後で、レオンは、

「俺の腕も、まだ錆ついちゃいないようだ」

 二本の得物から光が消えた。

 ルシファーが倒れる。

 彼の生きねの根を止めたのを確認した直後の事だった。

 頭上。

 レオンは上を向き、頭上から迫ってきた者の一撃を、光を失った刀剣を振り上げて防いだ。

 ルシファーには劣るが、その一撃はそれなりに重みがあった。

 刀剣を振って、何者かを弾き飛ばした。

 そいつは上手く着地し、赤い瞳でこちらを睨みつけた。

「……黒希」

 そいつ、黒希は、何処から持ってきたのか右手に刀剣を、さらに腰のベルトに刀剣を二本提げ、背中には大剣が一つ装備されていた。持てる物は全て持ってきた、といった感じだ。

 剣の切っ先をレオンに向け、黒希は言う。

「リベンジマッチだ。付き合ってもらうぞ」






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