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次は早めに投稿できればと思います
朝食が並ぶテーブルに向かい合わせに座る華凪と黒希。
本日のメニューは、卵焼き、ウィンナー、味噌汁と白米だ。
「黒希」
「……ん」
箸を咥えたまま、黒希は反応した。眠たげな半眼で新聞紙に目を走らせている。
因みに、半眼が黒希のデフォルトだ。
「今日、予定とかある?」
「どうだろ」
と、黒希は曖昧に答えた。
「一緒に勉強しない? 将来のためにもさ」
「しない」
黒希は、こちらを見向きもせずに言った。
華凪は箸を置き、真剣な表情になった。
「黒希。今は就職難。高校を中退した君は、かなり不利なんだよ。少しでも、遅れを取り戻さないと……」
途中で、言葉を切った。黒希が、チラッとこちらを見てきたからだ。
「何?」
首を傾げ、訊く。
黒希は新聞紙に視線を戻し、
「別に」
いつもの素っ気ない調子で言う。
これも彼の魅力かと、華凪は微笑む。
先ほど華凪が言った通り、黒希は高校を中退していた。理由は同級生への暴行らしい。
喧嘩っ早いのは、相変わらず。昔とちっとも変わっていない。ただ図体が大きくなっただけで、中身は大して変わっていない。
「それで勉強は……」
「しない」
即答すると、黒希は視線を下に落とした。
やがて、
「……用事ができた。しばらく家空けるから」
少し言いづらそうに、そう切り出した。
華凪は特に驚いた様子もなく、
「また?」
たまに、こういう事がある。
用事ができたと言っては、行き先も告げずに何日か帰ってこなくなる。
「どんな用事か、言う気はない?」
寂しげに、華凪は言った。
「……ない」
「そう……」
黒希はテーブルに新聞紙を置き、食べ終えた食器を流し台の方に持って行った。そして二階に上がる。
「はぁ……」
一人、華凪はため息を吐いた。
両親は仕事で海外にいて、中々帰ってこない。数少ないの遊び相手である黒希まで出かけるとなれば、暇で暇で仕方がない。
「宿題、終わらせちゃおっか」
考えた末、そうする事にした。
二階から降りてきた時、黒希は、白いティーシャツの上に黒のジャージを羽織り、黒のズボンに着替えていた。肩にはスポーツバッグが提げられている。
玄関で靴を履く彼の後ろ姿を、華凪は見ていた。
「いってらっしゃい。気を付けてね」
「ん」
黒希を見送り、華凪は食器を洗いにキッチンに向かった。




