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色とりどりの黙示録  作者: owen
序章
10/97

7

 

 マイアミ国際空港内の喫茶店。

「次」

 と、海留が。

「次」

 と、黒希が。

「チェック」

 と、海留が。

「……チッ」

 黒希は舌打ちする。

 そんな黒希に追い討ちをかけるように、

「これで、チェックメイト。勝負ありです」

「あぁ、クソ……」

 黒希と海留の二人は、一つのテーブルに向かい合わせに座って海留のスマートフォンでチェスをしていた。

 勝負は海留の勝ち。かなり接戦だったと、横から見ていた素人の咲でも分かった。

「これでまた、僕の無敗記録に新たな戦歴が刻まれました。感謝しますよ、リーダー」

 嫌味っぽく海留は言った。

「ふん」

 黒希は不満そうに鼻で息を鳴らし、ブラックコーヒーを口にして、

「苦……」

 と顔を歪めて言って、無料サービスの砂糖を三袋も投入する。スプーンでかき混ぜながら、

「店ごとに味が違うってのも考えもんだな」

「カフェラテでも注文したらどうです?」

「これから仕事。しかも、夜中だ。時差ボケ対策に眠らないようにしないと」

 それによってら黒希以外の三人の前にも苦味の強いブラックコーヒーが置かれていた。

 マイアミは夜。日本との時差は、確か十二時間はあったはずだ。

「ねぇ黒希」

 テーブルを挟んだ斜め前の席に座る叶が声を掛けてきた。

「ん」

「私達、本当に待機でいいの?」

 叶には、咲と待機しろという指示を出していた。

「お前らはバックアップだ。海留、仕事場所は地下だったよな? 無線を使ってでの地上との交信は可能か?」

「地下にいる者同士なら可能ですが、地上と地下は難しいでしょうね。何せ、極秘施設って言うもんですから、外部への電波の遮断、及びその逆の仕掛けが施されてる可能性が高い」

 海留の説明に、ただ一人咲が首を傾げた。他二人は、それに気付きもしなかった。

「なら仕方ない。地下までお前らも同行して適当な場所で待機」

 黒希の指示に、叶と咲は頷いた。

 海留が腕時計を見て、

「そろそろ時間です。出ましょう」








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