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わたしの名前は、百合 来蘭。ごく普通の女子高生。
「うわー。目がチカチカするぅ」
今日は、学校がお休みだったので、親友の比良ちゃんとお出掛けをしていたのだけれど、気性の荒い男性達に絡まれてしまい大変でした。でもね、比良ちゃんが助けてくれたの。えへへ。
「何か飲む?」
「苦いの以外なら何でもいい」
「分かったよ。ちょっと待っててね」
比良ちゃんは苦いのが苦手。苦いのを口にすると機嫌が悪くなります。んー、何があったっけ? 歩いてキッチンに辿り着く。冷蔵庫を開閉して状況を把握。
「麦茶しかない」
泊まりに来てと言った手前、麦茶を出すのは躊躇しちゃう。歩いて五分圏内にコンビニがあるから買いに行けるけど、比良ちゃんを待たせることになっちゃう。
「善は急げ、だよ!」
わたしは自分に気合いを入れて踏み出した。
走るのは疲れるので、速く歩く。コンビニの扉を開ける。店員さんの掛け声が響き渡る。ドリンク売場からペットボトルを引き抜いてレジへ。
「いらっしゃいませ」
レジの店員さんは慣れた手つきでバーコードを読み取っていく。その流れが愛らしく見えてくる。
「シールでよろしいですか?」
「はうわあ!?」
見とれていたため、話し掛けられビックリしちゃった。勿論よろしいですよ。時代はエコだもん。
店員さんがシールを貼ったペットボトルを渡してきたので、お金を払って受け取る。
「ありがとうございました」
店員さんの笑顔が眩しい。もっと見ていたい。
だけど、比良ちゃんが待ってるからそうはいかない。急いで足を速める。家の玄関を開けて靴を脱いで部屋に戻っていく。あ、シールを剥がさないと。
「随分と掛かってたね。どうかした?」
「ううん。何でもないよ、うん。はい、メロンジュースだよ」
「有りがたいねえ。大好物だ」
嬉しそうにジュースをがぶ飲みする比良ちゃん。
やっぱり、比良ちゃんは可愛いなあ。髪は長いし、身長も高い。サバサバしている性格なのも良いよ~。
「うん? 来蘭ちゃん飲まないの」
「飲むよ! メロンだもん」
メロン、か。比良ちゃんは、わたしの胸をメロンに例えていたけど、大きいのが良いって訳じゃないんだよ。肩は凝るし、ブラを合わせるのも大変だもん。
比良ちゃんは、自分の胸をまな板に例えていたけど、肩は凝らないし、周りの目も気にならないだろうから羨ましいよ。
「両親は? 泊まるにしても挨拶しないと」
「夕飯の買い物に行ってるんだ。もうちょっとで帰ってくると思うけど」
「そうなんだ。それじゃ帰ってきたらにする」
そう。今、両親は買い物でいない。比良ちゃんと二きり……。実は、内心ドッキドキ。
「ひ、比良ちゃん。わたしとお風呂に入らない?」
「来蘭ちゃんと? 良いけど」
やったー! 比良ちゃんとの念願のお風呂!
あ~、心臓のドキドキが収まらないよ!
わたしが、百合に目覚めた理由……。比良ちゃんは男性のせいだと思っているみたいだけど、本当は違うんだ。
「じゃあ、行こ」
比良ちゃんが理由なんだよ。比良ちゃんは、どの男性よりも強くて、かっこよくて。わたしと同じ女の子なのに、わたしとは全然違って……魅力的で……。
いつの間にか、わたしは比良ちゃんに惚れていたんだよ。比良ちゃんは、気付いてないけど。
「来蘭ちゃんと風呂かー!」
わたしはね、比良ちゃんが大好きなんだもん!




