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6-4

 あたしは大きな思い込みをしていたようだ。

 てっきり、秘宝なんて言うもんだから、凄く古い骨董品とか古代の金だと思っていた。


「こんな感じの~感じを~……」


 キイラという女性はカタカタと何かを打っている。

 暗証番号を入力するようなリモコンと格闘している。


「もうちょっとだわ」


「私は、こういう機械の類いが苦手なんで、キイラさんがいてくれて助かります」


「気にしないで。警察とパイプがある天道家の頼みだもの。警察に協力しているホワイトハッカーのワタシに出来ることがあるのなら協力するわよ」


「ホワイトハッカー!? 通りでコンピューターに強いわけだ。何やってるか解らんけど」


「平衡比良だっけ? 貴女、貴族の出なのに気品も何も感じないわね。そんなものなの?」


「あたしは庶民と変わんないよ。貴族の出だったなんて最近知ったくらいだよ」


「そう……。なんだか不思議だわ。貴女とは初めて会った気がしないわね」


「……どっかで会った?」


「違うわよ。似ているのよ。知り合いに」


「キイラさんも思います? 私も初めて比良さんとお会いしたときに感じたんです」


「やっぱり! 似てるわよね、彼に」


 まただ。あたしと似ているという男の話。そんなに似ているのなら、やっぱ会ってみたいもんだ。


「灯可里ちゃん、終わったわよ。まったく、面倒なロックを掛けてくれたもんね。ワタシに掛かれば、何てことなかったわ」


「随分と近代的なセキュリティなもんで。そんなんじゃ、大したもんは入ってないねぇ」


「天道家の秘宝ですから、きっと何かが……」


 灯可里が箱を開けた。白い煙が出てくるわけではなく、何かが飛び出してくるわけでもない。箱が開いた感想はそんな感じだ。


「これが……秘宝?」


「ん? それが秘宝か。なんだかぱっとしないねぇ」


 見れば見るほど只の石。あたしの素直な感想だ。

 これが天道家の秘宝というのなら、とんだ肩透かしもいいとこだ。


「取り敢えず持って帰ります。きっと秘宝に何かが隠されているのでしょう」


「ジャアアア」


 何だ? 騒がしいっての。


「ジャアアア」


 あたしと獣が対峙した。島だけど、島じゃない。居ても不思議じゃないか。

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