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6-3

「うーーー! 無人島に着いたっての!」


 特に危険も何事もなく、あたし達は無人島へと上陸した。無人島の大地の踏み心地は、なんの変哲もないものだった。ただの島だし、当たり前だけどね。


「ようやく歩けるんじゃい。改めて、歩ける喜びを噛み締めるんじゃ」


「ははーん? 懐流、クルーザーが怖かったのか?」


「ち、違うんじゃい! こんなの何ともなかったじゃよ」


そう言いながら、クルーザーの船体をコツンと蹴る懐流。少しふらついているのをあたしは見逃さなかったけどね。やせ我慢しちゃって。


「それでは、早速ですが進みましょう。実は、この先に人を待たせていまして……」


「あたしら以外にも同行者が?」


「はい。その方が居ないと大変なんです。私が不甲斐ないのが理由なんですが」


 へぇ。完璧っぽい灯可里にも弱点はあるんだねぇ。

 なんだか親近感が湧くよ。


「その人は女性ですか?」


「え? は……はい」


 来蘭ちゃんの突飛な質問に灯可里が困っているよ。

 行けば分かることなのにねぇ。


「早く行こ行こ! 待たせたら悪いよ」


 来蘭ちゃんの目が輝きだしたよ。ははは、分かりやすい。


「なんということだ。この無人島は、まるで楽園ではないか! 女子女子女子女子ぃぃぃ!」


「……いっ……行きましょうか」


 二戸の変態発言に、流石の灯可里も乾いた笑みを浮かべちゃってるよ。気持ちを察するよ……灯可里。

 そんなこんなで少し歩くことになったわけだが、クルーザーから降りたばっかで感覚が麻痺してるのか、懐流の足が覚束ない。


「おぶってやるよ」


「いいんじゃよ! 遠流路の人間なら、これきしの……何ともないんじゃ!」


「ふっ。そうかい。じゃあ頑張りな」


 あたしは速度を早める。そんなあたしの袖がクイっと引っ張られた。


「待つんじゃ! な、何も置いていくことはないじゃろ!?」


 大きく見開きられた瞳が必死に訴えているのが分かった。まったく、素直じゃないねぇ。


「置いてかないっての。しっかり歩けよ」


「分かっておるのじゃ」


 それから歩くこと十分程。見晴らしのいい場所に到着した。確かに人が居る。腕を組んで目を閉じてるよ。無人島に取り残されていてあの余裕……どうやら只者じゃないようだ。血が騒ぐじゃないかい。


「すみません。御待たせしました」


「構わないわ。待つことには慣れてるのよ」


 金髪の女性。あたしらよりも年上かねぇ。どちらかといえば、綺麗系じゃなく可愛い系か。それでいて余裕のある感じ。モテる要素満載じゃないかい。


「あたしは平衡比良。高一だよ。どうぞお手柔らかに」


「百合来蘭です。よろしくー!」


「どっもー! 二戸大介だ。あはは~」


「遠流路懐流。どうぞよろしく」


 自己紹介が凄い適当な気はするが。ま、いっか。

 名前は名乗ったんだからね。文句はないだろう。


「ワタシ、キイラよ。好きに呼んでくれて構わないわ。さあ、灯可里ちゃん。行きましょうか。日が暮れる前に済ましたいもの」


「はい。行きましょう」


 キイラ、か。上からものを言うタイプってか。よくもまあ、灯可里が付き合えてるねぇ。相性は良いとは思えないけど。そんなこんなで、キイラと合流したあたし達は、秘宝があると思われる場所に向かった。

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