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6-1

「比良姉。取り調べされた感想は?」


「別に。あたしは正直に答えてやっただけだからよ」


「ふーん。なんにせよ無事に帰ってきてくれてなによりじゃい」


 得意そうに味噌汁を優雅に飲んでいる懐流。七で旨そうに味噌汁を飲む光景は珍しくはないが、貴族の人間でも味噌汁を飲むことを確認できて少しホッとした。


「どうしたのじゃ? 僕の顔に何か付いているのか!?」


「なんでもない。子供は元気が一番ってね」


 適当にあしらって、食器をシンクに片付ける。

 あたしの両親は共働きで朝も早い。必然的にあたしが朝食を作る流れになっていた。


「美味しかった。比良姉が料理上手とは意外だったんじゃ」


「あはは。もっと褒めてくれて構わないぞ。ははは」


「ちょーしに乗らない。もっと腕を研くんじゃい」


「まっかせな!」


 あたしは胸を張る。そんなあたしに呼応したかのようにケータイが鳴る。灯可里からのメールだった。


「あん? なんでまた……近いからいいがよ」


『柊高まで来てくれませんか』


「比良姉?」


「懐流。小学校だけどよ、今日は休め。そんであたしに付き合いな。灯可里からのお誘いだから同じ貴族であるお前が居ると助かる」


「いいけど……。比良姉も貴族じゃい」


「あたしなんか〝なんちゃって〟だよ。ま、食ったら行くっての」


 まもなくして懐流が朝食を済ます。あたしと懐流は、四十分掛けて、柊高へと歩いていった。

 流石に七歳の懐流が、四十分歩き続けるのはキツかったらしく、柊高に着くや否や、道端に座り込んでしまった。


「お待ちしておりました」


 校門前で灯可里が出迎えてくれた。相変わらず笑顔が似合ってるよ。華々しい人間ってのは、灯可里みたいなのを言うんだねぇ。


「久しぶりだね。それで、あたしを呼んだ理由はなんだい? 何か問題でもあったか!」


「いいえ。懐流くんのことも進展はありません。今回御呼びしたのは、私に比良さんの御力を貸してほしくありまして」


「あたしの力?」


「はい。これから、天道家が所有している無人島に向かいます。無人島の奥深くに、秘宝が眠っていると言い伝えられていまして、そこへ調査に向かおうかと」


 ひ、秘宝!? そいつは聞き逃せねぇっての。

 灯可里には懐流の事で世話になっちまってるし、ここで恩を返すのも悪くないね。


「そういうことなら協力するよ。で、その無人島ってのはどうやって行くんだ?」


「天道家所有のクルーザーで行きます。取り敢えず車にお乗り下さい。クルーザーまで向かいます」


「分かったよ。無人島……楽しみだねぇ」


「比良姉……目が輝いているんじゃい」


 待ってな無人島。この平衡比良が上陸してやるっての。

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