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4-4

「勝手に凄いことを決めてしまって……仕方ないの」


「そーそー。これは人助け」


 意外や意外。お祖父がアッサリしていたよ。

 まあ、あたしは退く気ないけど。


「天道のほうも協力致します。遠流路家の問題ではありますが、同じ貴族としても見過ごせません」


「すみませんな。比良の独断で決めた帰宅あげく、巻き込んでしまいましての」


「いいえ。遠流路家の対応次第で、貴族のこれからの遠流路に対する向き合いかたが変わるでしょう」


「微力ながら、この平衡も尽力致します」


 灯可里とお祖父を味方に付けりゃあ百人力だぜい。

 食うもん食ったし、ズラからせてもらうかな。


「懐琉、行くか」


「め、迷惑ではないのか?」


「言ったろ、気にすんなって」


「……済まぬのじゃ」


 相変わらず、あたしのドレスを握って離さないガキだこと。安心しな、置いてはいかんよ。


「んじゃ、あとは頼むわ」


「懐琉くんを御願いしますね」


「へーい」


 灯可里に見送られながらホテルを後にする。あたしには不釣り合いな空間だったが、料理は文句なしに旨かったねぇ。弁当にでもしてくれないもんか。

 しかし、懐琉と並んで歩いていると、あたしはどう見られてるんだろう? 姉、親戚、親切な人……誘拐犯かね? ま、ある意味そうか。本人同意だけど。


「平衡、さん。えーと」


「比良でいいよ。んで?」


「父上も母上も、僕を迎えに来てくれるじゃろうか」


「なーに。表向きは、遠流路の名誉とかだろうが、来るだろうよ。心配すんな」


「世話になるのじゃ。……比良姉」


 比良姉……。悪くない響きだね。うんうん。

 人を持ち上げるのが上手いこと上手いこと。社会にとってヨイショは欠かせないからねぇ。

 ……ウーーン! やっぱシャバは気持ちいい!

 ホテルに居続けたら窒息してたっての。身体を伸ばせるってだけでも充分な価値だ。


「平衡比良か?」


「誰だい」


 全身真っ黒。そんでもって女性の声。十分に怪しいうえに、どういう訳かあたしを知っている感じだ。

 まさか平衡の人間か……まさかね。お祖父から連絡を受けているのなら、遅れたりはしない筈だ。遅れたりしたらお祖父が黙っちゃいない。


「そのうち分かる」


 ありゃりゃ? 行っちまいやがったよ。一体何だったんだ? ま、殺気は感じなかったからいっか。


「比良姉、知ってるんか?」


「さあ? 恨みを買う覚えばかりなもんで」


 懐琉を連れて大立ち回りはちと厳しい。流石のあたしもホッとしたっての。さーて帰るか。家に着くまでが貴族ってね。

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