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Take out はできません

作者: ラーレ

ストーカーっぽい表現があるため一応警告つけてますが特に問題はないと思います。



俺は毎日毎日通った。



愛しいあの子を見るために。



雨の日も雪の日も真夏の熱い日も毎日。

もちろん風邪のときは彼女にうつしちゃいけないからちゃんと休んださ。


毎日通えば彼女のシフトがなんとなく分かったからその時間は必ず行った。

たまにヘルプで入ることも考えて入りそうな時間帯はいつも行った。





彼女は某ハンバーガーショップのアルバイトをしている。

笑ったときにできるえくぼがチャームポイントだ。

おだんご頭で振り向いたときの項がセクシーだなんて思った。

苛立ちを覚える女子特有の高い声も彼女のならずっと聞いていられる。

守りたくなる小さな体に何度抱きつきたい衝動を抑えたかわからない。(俺は決して変態なんかではない!!

低い身長ゆえにものがとどかずに同僚の男にとってもらっているのを見て何度嫉妬したことか!




彼女への愛を語れば一日では足りないくらいだ。

そんな俺だがいまだ彼女としゃべったことはない。



毎日通ってなにしてんのかって?

勿論店に来たからには注文はするさっ

ただ、彼女を前にしてしゃべれる勇気はないためいつも別のレジに並ぶ。

そして彼女がよく見えるレジ近くの席で本を読むふりをして眺めるのだ。




友人たちは最初は付き合ってくれたがなかなか行動に移さない俺に呆れ、断るようになった。

最近ではキモい、ストーカーとさえ言われる。



何とでも言え!

ただし、俺は決してストーカーなんかではない!!

彼女を見つめはするが家までついていったりなんかしないし、ましてや自分と付き合っているなんて妄想をして信じ込んだりなんかしていないからセーフだろ!





・・・今日は彼女はまだレジに出てきてはいないようだ。

とりあえずいつもの席を確保し、さっさと注文してしまうことにする。



夕方は地味に混む。

ようやく俺の番になったその時!!!!



なっなんと彼女が交代でこのレジに来てしまった!?


あの笑顔が俺に向けられている///



「ご注文はお決まりですか?」



あぁ、なんて可愛い声なんだ!!

その声についうっとりと聞き入ってしまった。



「お客様?」



い、いけない!彼女を困らせてしまったではないか!!

早く注文を・・・!!




「あ、あのっあなたをテイクアウトでお願いします!!」






静まり返る店内。

固まる俺。

呆然とする彼女。





お、俺はのばかぁぁぁあああ(泣)

なにいっちゃってんの!?

動揺で冷や汗がダラダラと流れる。





はっと意識を取り戻した彼女は

「大変申し訳ございません。当店では展示のみとなってましてテイクアウトはできません。他にご注文はございませんか?」



にこやかに返されてしまった!!


「えっと、じゃあバニラシェークで...。」



頼りない声で注文し、シェークを受け取った俺は周りの忍び笑いに耐えながら鞄をとり店を出た。








・・・終わったな俺。

明日は友達に笑い者にされながら慰めてもらおう。




・・・どんまいっ☆

笑ってもらえたらうれしいです。

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