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第6話:さらち、通知じゃなく“声”でつながる日
通知だけじゃ足りない日が、いつか来る。
さらちはまだ知らない──
その日が、今日だってことを。
「今度、さらちにも紹介したいな」
ゆずちの言葉が、ずっとさらちの通知に残っていた。
そして今日──
ゆずちからのメッセージ。
「今、友達と会ってる。さらちも来る?」
さらちはスマホを見つめたまま、動けなかった。
通知じゃなくて、実際に“会う”ってこと。
心臓が、通知よりも早く鳴ってる。
「行く…!」
震える指で、さらちは返信した。
カフェの扉を開けると、ゆずちが手を振っていた。
その隣には、あの“紹介された”友達2人。
「さらちやんな?ゆずちからめっちゃ聞いてるで!」
「“通知でつながってる人”って、ほんまに存在するんや!」
さらちは、照れながらも笑った。
ゆずちが隣で、そっと言った。
「声、聞けてうれしい。やっぱり通知より、こっちの方が好きかも。」
その言葉に、さらちは思った。
「……通知、超えたわ。」
画面越しじゃ伝わらないものがある。
声の震え、目の動き、照れた笑顔。
さらちが“存在”になった瞬間、
通知はただのきっかけに変わった。




