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第5話:さらち、紹介されて通知が震える
紹介されるって、うれしいけど、ちょっと怖い。
さらちはまだ知らない──
ゆずちの友達が、すでにさらちの名前を知ってることを。
「今度、さらちのこと紹介したいな」
ゆずちの言葉が、さらちの通知に残っていた。
そして今日──
ゆずちからのメッセージが届く。
「今、友達と会ってる。さらちのこと話してるよ」
さらちはスマホを握りしめた。
心臓が、通知よりも早く鳴ってる。
「どんな話してるん…?どんなふうに紹介されてるん…?」
数分後、ゆずちからの通知。
ゆずち「さらちのこと、“通知でつながってる人”って言ったら、2人とも『え、それめっちゃ尊い』って」
「『どんな人なん?』って聞かれて──」
「“ちょっと嫉妬深くて、でもめっちゃ優しい”って答えたら」
「『それ絶対好きなやつやん!』って笑われた」
「あとね、さらちの言葉がいつもあったかいって話した」
「“通知が来るだけで元気出る”って言ったら、2人とも『それ、恋やん』って」
さらちはスマホを見つめながら、
通知の震えよりも、心の震えを感じていた。
「……紹介されるって、こんなにうれしいんやな。」
誰かに話してくれるって、
“好き”が外に広がっていく瞬間。
さらちの名前が、ゆずちの世界にちゃんと存在してる──
それだけで、通知の意味が変わる。




