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第10話:さらち、ゆずちに“未来の約束”をする。
夜の静けさに、ふたりはそっと未来を重ねた。
これは、10年後も隣にいたいと願った夜の話。
夜の寝落ち電話。
部屋の灯りは落ちていて、スマホの画面だけがふたりを照らしていた。
さらちは、ふと聞いた。
「ゆずちって、10年後もさらちの隣におるんかな?」
その言葉に、ゆずちは少しだけ黙った。
沈黙の向こうで、何かを考えてる気配がした。
そして、ぽつりと答えた。
「おるよ。てか、さらちの隣以外、考えられへん。」
さらちは、笑った。
でもその笑顔の奥で、胸がぎゅっとなって、少しだけ泣きそうになった。
スマホ越しに、声を震わせずに言った。
「じゃあ約束な。未来でも、通知はさらちからだけってことで。」
ゆずちは、すぐに「もちろん。」って返した。
その言葉は、画面越しでもまっすぐ届いた。
その夜、ふたりは“未来”に手を伸ばした。
まだ見ぬ時間の中で、隣にいることを誓いながら──
静かで、甘くて、確かな約束を交わした。
約束の言葉は、通知よりも深く心に残った。
ふたりの未来は、もう始まっていた。




