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令和鬼合戦:氷獄の札幌~孤高の銀閃~

興味をもっていただきありがとうございます!


岡山での修行から一週間。舞台は再び、最前線の札幌へ。 百年ぶりに封印を破った「氷結地獄」の門から溢れ出すのは、これまでの鬼とは一線を画す異形の軍勢でした。


極寒の戦場。耐氷結忍術すら凍りつく絶望の中で死闘は限界を超えようとしています。 増え続ける青鬼の群れと、凍りついた北の都はどうなるのか。


 吐き出す息が、一瞬で白く凍りつく。夏まつりの準備が進んでいた札幌・大通公園は、今や「地獄」と化していた。


「……岡山九番隊、福岡一番隊、二番隊、補給交代だ。三分で補給を済ませろ。三分だぞ!」


 九番隊副隊長、相田 謙心(あいだ・謙心)の鋭い声が響く。隊員たちはボロボロになった外骨格を軋ませ、交代で休息を取るが、その顔に安らぎはない。謙心は大通公園にそびえ立つ、巨大すぎる「門」を忌々しげに睨みつけた。


「……おかしい。質が変わりすぎている。これは、これまで出てきた連中とは根源が違うぞ」


 門の中から噴出しているのは、ただの冷気ではない。それは地獄の最深部、『氷結地獄ひょうけつじごく』の空気そのものだ。この門が開くのは実に百年ぶり。氷結地獄は常に猛烈な吹雪に閉ざされた調査不能領域であり、そこから這い出す『青鬼あおおに』たちは、これまでの小規模な戦いには一切姿を見せず、この時のために力を温存していたのだ。


 さらに深刻なのは、門の「閉鎖」が不可能に近いことだった。門の内側は想像を絶する超低温の吹雪が荒れ狂い、『耐氷結忍術』すら一瞬で剥がされる。本来、この規模の門を閉じるには十人以上の隊長クラスが内側に同時突入し、多角的に魂脈を打ち込む必要がある。だが、隊長格の実力者であっても、この吹雪の中では数分と戦えず、門の深部まで辿り着くことすら叶わない。


 ギチ、ギチチ……ッ!


 吹雪の向こうから、不気味な足音が近づく。

現れたのは、通常の鬼よりも一回り巨大で、四本の腕すべてに氷の刃を形成した青鬼の小隊だ。奴らはこれまでの赤鬼たちとは違い、一糸乱れぬ連携で防衛線を削りに来る。


「来やがった! 迎え撃てっ!!」


 謙心の叫びと共に、隊員たちが火遁かとんを放つ。だが、本来なら鬼を焼き尽くすはずの炎は、門から吹き付ける極寒の風に煽られ、着弾する前に虚しく掻き消された。


「クソッ、火遁が効かねえ! 耐氷結忍術も凍りついてやがる!」


 青鬼が吠える。氷の刃が振り下ろされ、隊員の一人の外骨格が装甲ごと切り裂かれた。凍てついた金属は驚くほど脆くなっており、紙細工のように砕け散る。

 その絶望的な乱戦の只中で、たった独り、一週間一度も戦線を退かずに刀を振るい続けている男がいた。

九番隊隊長、源 雲切みなもと・くもきり


「――『銀閃ぎんせん』」


 源の姿が銀色の光条と化した。一瞬の間に六体の青鬼の首が、氷の破片を散らしながら宙を舞う。返り血さえも、空中で赤い氷の粒となって散っていく。銀髪を血と凍った飛沫で汚しながらも、その抜刀速度は一切衰えていない。だが、副隊長の謙心は見ていた。源の呼吸がかつてないほどに深く、重くなっていることを。


「源隊長……」


 謙心は痛々しいものを見るように拳を握りしめた。自己再生能力があるとはいえ、氷結地獄の冷気は魂脈を内側から凍てつかせる。源の抜刀速度は、確実にその極限を迎えようとしていた。

 時間だけが無情に過ぎ、札幌は「内側」から食い潰されようとしていた。


 同時刻。岡山基地の戦略指令室。三人の重鎮が、札幌の惨状を見つめていた。


「百年か……奴ら、ずいぶんと長く牙を研いでいたようだな」


犬牙衆総大将、尾上 鉄山おがみ・てつざんが唸る。彼の肉体は既に術の定常状態にあり、露出した腕は鈍い鋼の光沢を放つ「金属化」を遂げていた。その鋼の肌の上を、青白い電流がバチバチと火花を散らして駆け巡る。


「ええ。氷結地獄の門は巨大すぎて、閉じるには多大な出力が必要よ。今の吹雪じゃ、十人並べても内側に入った瞬間に氷像ね」


猿掌衆総大将、杉山 白梅すぎやま・はくばいは、冷静にデータを読み上げた。彼女が纏う魂脈は、明らかに戦闘向けではないものの研究者のそれとは一味違っている。


「源が限界だ」

「藤林でなんとかならなかったら特殲とくせんが出なければな……」

「……特殲……そうじゃな……」


特殲とは特別殲滅隊のことだ。特殊な忍術使いで、強力な忍術が使えるが味方にも影響してしまう場合がほとんどで、毒、温度、幻影などが代表的な忍術だ。源隊長や藤林隊長は特殲も兼任している。

鉄山はモニターに映る出撃準備完了の文字を見据えた。


「現場を見てきたいから私もいくわ」


特別殲滅隊出身の白梅が目を細めて言った。

 

 北の空を覆う厚い雪雲が、突如として激しく渦巻いた。 謙心が空を見上げた瞬間。成層圏を突き抜け、真っ赤な摩擦熱を纏った「龍」が吹雪を割って降臨してきた。


「……なんだ? 龍?」


 それは静寂を破り、深い雲に覆われた札幌の空を駆ける、深紅に燃え盛る「紅龍」だった。


第九話をお読みいただきありがとうございます。

百年ぶりに解き放たれた「氷結地獄」の脅威。耐氷結忍術すら通用しない吹雪の前に成す術がありません。 源隊長ですら立ち往生するその「内側」。

次回、第十話。お楽しみに!

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※AIとの共同執筆作品となります。

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