令和鬼合戦7:再構築の鼓動~二つの頂からマナブ~
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強化物質を投与した羅夢多。 しかし、精密検査の結果は意外なものでした。
戸惑う羅夢多は、モモから七番隊・八番隊の両隊長が訓練場にいると聞き、藁をも掴む思いで向かいます。 そこで彼が目撃したのは、教えを待つ教師ではなく、自らの極致を目指して牙を研ぐ二人の「怪物」でした。
宙に浮く美しき忍術師と、大地を砕く剛腕の剣士。 若き犬牙が、その門を叩きます。
真っ白な天井が視界に飛び込んできた。見慣れた天井だ。
鈴木 羅夢多が意識を取り戻すと、そこにはいつものようにモニターと格闘する大ノ木モモの姿があった。
「起きたわね。……さあ、早速検査よ」
モモに促されるまま最新の医療スキャナーを通る。羅夢多の肉体を調べデータを見たモモは、意外そうに眉を寄せた。
「……変ね。外見は立派になったけど、魂脈の数値も筋繊維の密度も、以前とほとんど変わっていないわ。強化剤がまだ、眠っているのかしらね」
羅夢多は、自分の掌を握りしめた。力強く漲るような感覚はない。だが、目覚めたばかりの身体には、まだ使いこなせていない「器」の大きさを感じていた。
「七番隊の秋山隊長と、八番隊の藤林隊長が、地下4階で合同訓練してるわよ。忍者のトップの訓練見てきなさい」
羅夢多は部屋を飛び出していた。
訓練場に着いた羅夢多は、その場の空気に圧倒され、足を止めた。七番隊隊長、秋山 大吾。身長は羅夢多より低いだろうか。しかし、その体格は岩石を削り出したような厚い胸板と、丸太のような腕を持つ。かつて羅夢多の父・雷電から剣を教わった彼は、今や犬牙衆随一の上級剣術師だ。
「……おおおおおっ!」
鋭い抜刀術『一閃』から、返しの太刀で大地を爆砕する。それは秋山が独自に研鑽を重ね、理を自分なりに解釈して作り上げた技――鈴木家に伝わる『真金』だった。父の面影を宿したその剛剣に、羅夢多は魂を揺さぶられるような感銘を受けた。
「秋山隊長! ……僕にも、剣を教えてください!」
秋山は汗を拭い、不敵に笑った。
「いいだろう、俺の剣は重いぞ。折れずに付いてこい!」
「はい!」
「……で、おまえは誰だ?」
「あっ……」
自己紹介をし、無事に剣を教えてもらう羅夢多。
「休むことも修行だ」
秋山隊長との長い修行のあと休憩に入った。みんなを休ませるために休憩を強制的にとっている。
体は慣れない修行でボロボロだが修業がしたくてウズウズしていると、訓練場の静かな一角で、目を疑う光景を目にした。
八番隊隊長、藤林 兆計。彼は地面から数メートル浮いた空中で、座禅を組んだまま静止していた。
身長百七十センチメートルほど。無駄な脂肪が一切ない、しなやかで細身の筋肉質。腰まで届く見事な銀光を帯びた長髪をさらりとおろし、目を閉じるその姿は、まるで絵画から抜け出してきたかのような「いい男」だった。
彼は最上級忍術師。最強の源隊長にして「純粋な忍術の練度では、兆計にはかなわない」と言わしめるほどの怪物である。周囲には目に見えない魂脈の奔流が渦巻き、その気流だけで彼の身体を宙に留めていた。
「……あの、藤林隊長」
羅夢多が恐る恐る話しかけると、兆計はゆっくりと目を開けた。瞳には数百年を生き抜いたかのような深い知性が宿っている。
「……ああ、羅夢多くん。怪我はもう大丈夫のようだね」
「藤林さん……僕に、忍術を教えてください! 強くなりたいんです!」
兆計は宙に浮いたまま、優雅に微笑んだ。
「焦ってはいけないよ。忍術とは、忍耐だ。……君の体に最高の音楽を奏でさせてあげよう」
氷のように冷たい笑顔に羅夢多は少し後悔した。
修業の終盤、魂脈の練り方がなんとなくわかってきた。
秋山の泥臭く、熱い「剛」の教え。
兆計の緻密で、美しい「術」の洗礼。
羅夢多は、二人の怪物の修行に必死にしがみついた。
その没頭が、ゆっくりと「火」をつける。修業の終わりに放った最後の一撃。秋山の重みと、兆計の繊細な魂脈制御が混ざり合った瞬間――。
「……羅夢多の先祖が編み出した忍術が使えるようになった、『真金』」
羅夢多の拳が訓練用の強化防壁を粉々に砕いた。それを見届けた兆計は宙から降り立ち、美しく目を細めた。修業のせいかはまだ出始めたばかり。犬牙は今、静かに、だが確実に牙を研ぎ澄ましている。
第七話をお読みいただきありがとうございました!
二人の隊長。しかし、その内側に秘めた質量と練度は、山をも動かす圧倒的なものでした。
宙に浮く美しき藤林兆計、そして父の魂を継ぐ秋山大吾。 二つの頂から学んだ羅夢多は、ついに先祖が生み出した忍術『真金』の片鱗を掴みます。
次回、第八話。お楽しみに!
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※AIとの共同執筆作品となります。




