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令和鬼合戦:影の離脱~地下深淵の戦慄~

興味をもっていただきありがとうございます。

藤林ふじばやしの影に飲み込まれた羅夢多らむだたち。

本部ビルを脱出したかと思いきや、影の道が繋がっていたのは、さらに深い「闇」の深淵でした。

そこで目にしたのは……


 床に広がった漆黒の闇が、粘り気を持って羅夢多たちの足元を浚っていく。

 視界が真っ暗に染まったのは、わずか数秒のことだった。次に羅夢多が目を開けたとき、そこは本部ビルの外ではなく、さらに冷たく、重苦しい空気が漂う広大な地下広場だった。


「藤林、ご苦労」


 尾上総大将の声に、暗闇の中から藤林と、資料室にいたはずのみなもとが音もなく現れた。


「お安い御用です。本部に入った時から影を建物全体に送り込んでおきました。地下に大きな空間を見つけたので、とりあえずこちらへ退避させてもらった次第です」

「ここは……どこじゃ?」


 総大将の問いに答えたのは、羅夢多の「十字の瞳」だった。

 広場の壁一面に、巨大な円筒形のカプセルが幾重にも並んでいる。その中には、薄緑色の液体に浸された「鬼」と、そして「人間」がいた。


「……何よ、これ。鬼と人が、カプセルの中で繋がっている……?」


 モモが震える声でカプセルを覗き込む。羅夢多の瞳には、それらから放たれる異様なエネルギーが視えていた。


「……鬼脈きみゃくでも魂脈こんみゃくでもない。二つが混ざり合った、『鬼魂脈きこんみゃく』だ」


 人桃衆は、鬼を狩るのではなく、鬼と人を融合させ、新たな「資源」として加工しようとしていたのか。その戦慄の光景に、編纂班の古関こせきは腰を抜かし、不破計良ふわ けいらは反射的に傍らの操作端末へと駆け寄った。


「誰もいないわ……」

「データを取り出せるかしら」


 不破が猛烈な勢いでキーを叩く。しかし、画面に映し出されたのは機密データではなく、赤く点滅する数字だった。


「基地ごと消滅とか、ないよね……?」


 モモの不安な呟きを裏付けるように、不破の顔から血の気が引いた。


「総大将、切り上げましょう。……いえ、今すぐ逃げてください! 本当に爆発するわ、これ! 何かのカウントダウンが走ってる!」


 不破が叫び、ディスプレイを反転させた。

 そこには無慈悲な数字が刻まれていた。


『残り:20秒』

「……証拠ごと、我らも葬るつもりか!」


 尾上が吠えるが、物理的な脱出はもはや間に合わない。


「藤林!」


 源の鋭い声。藤林は頷き、再び自らの魂脈を最大まで影へと注ぎ込んだ。


「全員、影に 沈め!!」


 再び訪れる、圧迫感のある暗闇。

 背後で、地響きと共に巨大なエネルギーが爆発する感覚を、羅夢多は背中に感じていた。

 ドサリ、という音と共に一行が吐き出されたのは、人桃衆本部ビルから数ブロック離れた、夜の静寂に包まれた公園の植え込みだった。


「……はぁっ、はぁっ! 死ぬかと思った……」


 不破が地面を叩きながら荒い息をつく。遠く、ビルの立ち並ぶ方向から、低い爆発音と微かな振動が伝わってきた。人桃衆本部の地下施設は、今この瞬間、証拠もろとも灰になったのだ。


「……藤林、よい判断じゃった。お前がいなければ、今頃わしらもカプセルの中身と同じ運命を辿っておった」


 尾上総大将が煤けた服を払いながら立ち上がる。その眼光は、これまで見たこともないほど鋭く燃えていた。

 羅夢多は、十字の瞳で遠くの空を見上げた。地下で視た「鬼魂脈」の残像が、今も網膜に焼き付いている。


「……次は、鬼城山だ。あそこなら、爆破して逃げるわけにはいかないはずだ」


 一行は、夜を徹して鬼城山へ向かう決意を固めた。地獄の門と、人間の強欲。その全てが、あの中世の城跡に眠っている。


第五十六話をお読みいただきありがとうございました!

藤林の影による二度の救出。そして暴かれた新種の鬼と同じ「鬼魂脈」。

人桃衆は、もはや組織の崩壊を厭わず、羅夢多たちを抹殺しようとしています。

次回、お楽しみに!

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※AIとの共同執筆作品となります。


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