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令和鬼合戦:桃源郷の虚飾~広報官・桃瀬舞~

興味をもっていただきありがとうございます。

総大将・尾上鉄山を伴い、ついに開始された人桃衆じんとうしゅう本部への立ち入り調査。

羅夢多、モモ、不破計良、古関、源、藤林。各分野の最高峰が顔を揃えた「最強の調査団」が、英雄の仮面の裏側に潜む真実へと切り込みます。


 岡山駅前、一等地にそびえ立つ全面ガラス張りのモダンなビル。それが人桃衆の本部である。

 自動ドアが滑らかに開き、冷房の効いたエントランスに足を踏み入れた一行を待っていたのは、一人の女性だった。


「ようこそ、人桃衆本部へ。本日、皆様のご案内を担当させていただきます、広報文化課の桃瀬ももせ まいと申します」


 彼女は三十代半ば。一切の乱れがないタイトなスーツに身を包み、非の打ち所のない「営業スマイル」を浮かべていた。犬牙衆総大将・尾上に対してすら、物怖じせぬ洗練されたマナーで頭を下げる。


「総大将、本日は抜き打ちでのご巡察とのこと光栄でございます。我が人桃衆の透明性と貢献を、ぜひ皆様の目でお確かめください」


 尾上は重々しく頷き、背後の六人に視線を送った。


「……各自、それぞれの持ち場で調査を開始せよ。桃瀬殿、案内を頼む」

「もちろんでございます」


 桃瀬は柳に風と受け流すように微笑むが、その瞳の奥には、侵入者を警戒する氷のような冷たさが宿っていた。


 広報の案内ルートを無視するように、一行は効率的にそれぞれの専門領域へと散っていった。

 まず動いたのは、不破計良ふわ けいら藤林ふじばやしだ。

 二人はIT管理室へと直接乗り込む。不破はタブレットを端末に直結し、藤林は背後の影を物理的な防護壁として展開した。


「藤林さん、物理セキュリティのログを監視して。私はこの数年間の『輸送用トラック』の全走行データを洗うわ。人桃衆がどこから何を運び、どこに持って行っているのか……ミズチなら数秒で見抜くわよ」

「俺は調査で役に立たない。護衛だと思ってくれ」


 不破の指が踊る。用途不明の多額の購入品、用途の記載がないコンテナの移動。表面上の「慈善活動」の裏で、巨額の資金と物資が消えている痕跡を、彼女らはデジタル的に追跡し始めた。

 一方で、地下の書庫へと降りたのはみなもと 雲切くもきりと編纂班リーダーの古関こせきだ。


「研究されていない資料がこんなに……源さん、ここは私の出番です」

「あぁ、たのむ……この棚の跡……もっと資料があったはずだな……」


意図的に抜かれている棚がある。協力的ではないということか……。

 古関は古い紙片や木札を食い入るように見つめる。源は抜刀こそしていないが、その圧倒的な魂脈で、何かを隠そうとする職員たちの動きを完全に封じ込めていた。


「……古関、この『戦死者名簿』、頁の厚みが不自然だ。裏側に別の名が隠されているのではないか?」


 源の野性的な勘が、歴史の「隠し蓋」を物理的に察知する。


 羅夢多、モモ、そして尾上総大将は、桃瀬の案内で最新の研究フロアへと進んでいた。

 桃瀬舞が「ここは最新のワクチン開発室です」と紹介する清潔なラボ。しかし、羅夢多の視界には、その真っ白な壁の向こう側に、不自然に遮断された魂脈の「真空地帯」が視えていた。


(……おかしい。あそこだけ、魂脈が全く流れていない。特殊なシールドで『消されている』んだ)


 桃瀬は楽しげに話を続けている。だが、彼女が歩くたびに、その足元から微かな「鉄の匂い」が漂うのを、羅夢多の鋭敏な感覚は逃さなかった。それは古い血と、精錬された鋼が混ざり合った、戦場よりも深い闇の匂い。


「桃瀬さん。あっちの『特別保管庫』と書かれたエリアは? 案内ルートに入っていないようだけど」


 羅夢多が指差した先。桃瀬の笑みが、一瞬だけぴくりと揺れた。


「あちらは現在、空調設備のメンテナンス中でして。危険ですので、立ち入りは制限させていただいております。……さあ、総大将、次は屋上の観測デッキへご案内します」


 桃瀬は滑らかな動作で羅夢多たちの行く手を遮るように立ち、次なる「予定された真実」へと誘導しようとする。だが、羅夢多は引かなかった。


「……メンテナンスなら、私が手伝いましょうか? 私はこれでも、機械の整備は得意なの」


 モモが不敵に笑い、一歩踏み出す。

 完璧な広報官・桃瀬舞の笑顔が、ひび割れる予感がした。


第五十三話をお読みいただきありがとうございました!

不破と藤林が追う「消えたトラック」。古関と源が暴く「歪められた歴史」。そして羅夢多が捉えた「消された空間」。

最強の調査団により、人桃衆の鉄壁の守りに穴が開き始めます。

次回、お楽しみに!

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※AIとの共同執筆作品となります。


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