令和鬼合戦:共鳴する強者たち~禁域の扉~
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最新AI『ミズチ』が導き出した「温羅」の情報がないことがおかしいという仮説。しかし、欺瞞を暴くには、羅夢多とモモだけでは力が足りません。
二人は、組織内で最も「理」から外れた力を持つ二人の怪物を仲間に加えるべく、九番隊の深淵へと足を踏み入れます。仙人の如き強者たちとの合流、そして総大将への決死の直談判。物語はついに、人桃衆の本拠地へと動き出します。
「……行くわよ、羅夢多。今の私たちに必要なのは、この仮説を力で押し通せるだけの『重み』よ」
モモは不破計良から預かった情報を握りしめ、羅夢多と共に岡山基地の地下三階、九番隊専用フロアへと向かった。そこは「実戦」を超えた「訓練」の場。重厚な扉を開けた瞬間、肌を刺すような高密度の魂脈が、物理的な圧力となって二人を襲った。
広大な修練場の中心。
源 雲切と藤林の二人は、目を閉じ座禅を組んだまま、地上から十メートルほど宙に浮いていた。
体内から溢れ出した莫大な魂脈が、不可視の巨象がぶつかり合うような衝撃波となって部屋を震わせている。その余波だけで周囲の壁が大きく揺れていた。
「……人間、やめてるな」
羅夢多が呟く。それはもはや忍の特訓ではなく、仙人の域に達した異能の共鳴。羅夢多の「十字の瞳」には、二人の魂脈が黄金と漆黒の奔流となり、複雑な螺旋を描きながら天を突く光柱となって視えていた。
「源隊長、藤林隊長。話があります」
羅夢多の声が響くと、二人は同時にゆっくりと地へ降り、目を開けた。その眼光だけで並の忍なら失神するほどの威圧感だが、十字の瞳を持つ羅夢多は、一歩も引かずにミズチが弾き出した「温羅の情報」を語った。
「……なるほど、調べるべきだな」
源が不敵に笑う。その声には、怒りよりもむしろ、長年の霧が晴れたような晴れやかさが混じっていた。
「狩っても狩っても沸き出す鬼の『生産性』。門の謎。人桃衆の禁域、暴けるものなら暴いてみたい」
「……私も同行しよう」
藤林も短く応じた。静かな声だが、その周囲の影が生き物のように蠢く。岡山最強の二人の賛同。これ以上の後ろ盾はない。
羅夢多、モモ、不破計良、編纂班のリーダー・古関、そして源と藤林。
この異常な顔ぶれが揃って現れたことに、犬牙衆総大将・尾上 鉄山と猿掌衆総大将・杉山 白梅は言葉を失った。司令室の空気は、一瞬にして凍りついた。
「温羅の情報は人桃衆によって『隠蔽』されている可能性が高い。全ての権限を解放し、人桃衆の基地を調査すべきです!」
モモが解析データを突きつける。鉄山は苦い顔で首を振った。
「……全ての資料、全ての施設は既に過去、幾度も調査済みだ。今でも定期的に抜き打ちで調査している。今更掘り返して何か出るとは思えん」
「いいえ! 私に調べさせてください!AIミズチは、既存のデータの空白に、人為的な情報抹消の痕跡を見つけました。私は全ての権限を使って再調査を強く推奨します!私たち全員が賛同しています!」
モモの、そして背後に控える「怪物二人」の無言の圧力。鉄山はついに折れた。
「……よかろう。定期的な調査としてわしも行こう。人桃衆の本部、及び研究所。そして古くから彼らの聖域とされている『鬼城山』の基地。これら全てを調査対象とする」
鉄山はしぶしぶと調査の勅命を飛ばした。
人桃衆の本部は、岡山駅前に位置し、一見すれば清潔感溢れる最新鋭の研究所を併設している。以前羅夢多たちが訪れた研究所も調査対象だが、そこはあとでだ。彼らの「真の歴史」が眠っているのは、やはり温羅伝説の舞台となった鬼城山の基地の地下深くに違いない。
「まずは本部からよ。……みんな『隠し事』を全部引きずり出してね」
羅夢多は頷き、十字の瞳を静かに解き放った。
本部ビルの入り口で彼らを迎えたのは、表面上は丁寧だが、どこか冷淡な眼差しを向ける白い防護服の職員たち。
「……源さん、藤林さん。頼みます」
「任せろ。礼儀正しい『訪問』は苦手だが、道を空けさせるのは得意だ」
源の一歩が床を鳴らし、空気の壁を切り裂く。
一行は静かに、しかし圧倒的な威圧感を纏い、人桃衆本部――秘密が眠る心臓部への潜入を開始した。
第五十二話をお読みいただきありがとうございました!
源、藤林という最強の味方を得て、ついに人桃衆へのメスが入ります。
総大将が隠したかったのは何なのか。そして、人桃衆本部の清潔な廊下の奥で、彼らを待ち受ける「情報」とは。
次回、お楽しみに!
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※AIとの共同執筆作品となります。




