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令和鬼合戦:理を越える一滴~AIの神託~

興味をもっていただきありがとうございます。

数日間に及ぶ不眠不休の調査。古関一郎こせき率いる編纂班へんさんはんの全面協力をもってしても、決定的な証拠には辿り着けませんでした。

行き詰まる羅夢多らむだとモモ。しかし、モモにはまだ「切り札」がありました。


 「……ダメ。やっぱり、決定的な何かが足りないわ」


 モモは机に伏し、重い溜息をついた。資料室の床には、精査し終えた古文書の写しや、地質データのグラフが散乱している。

 編纂班のリーダー・古関によれば、現存資料のデジタル化は既に全体の7割を終えており、特に「温羅うら」という個体に直接言及した記述の入力はすべて完了しているという。だが、それらをいくら検索し、単語を繋ぎ合わせても、「温羅は渡来人の鬼であり、吉備津彦命に討たれた」という、ありふれた歴史の表層をなぞる回答しか得られなかった。


「同じことの繰り返しね……」


 眉間に深い皺を刻んだ羅夢多の横顔を見て、モモは拳を握りしめた。


「……そうか……データになっているなら……羅夢多ついてきて!」


 モモが羅夢多を連れて駆け込んだのは、岡山基地の地下二十階、重厚な電子ロックに守られた「技術部兼IT部」だった。

 無数のサーバーラックが低い唸り声を上げ、ディスプレイが青白く部屋を照らす。その中心に、タブレットを片時も離さず、空中に浮かぶ複雑なコードを弄ぶ女性がいた。

 隊長・不破ふわ 計良けいら

 三十歳という若さでありながら、「魂脈を通すことで硬度を自在に変化させる可変素材」を開発し、現代の忍装束に革命をもたらした技術の化身だ。


「……不破先輩! 忙しいところごめんなさい、アレを……アレを貸してください!」

「モモちゃんおはよー。相変わらず騒々しい。……アレって何?」


超高度推論型AI『ミズチ』

モモが借りに来たのはAIの知能だった。

 不破はポニーテールを乱暴にかき上げると、不敵な笑みを浮かべて空間をスワイプした。

 すると、部屋の中央に無数の神経回路を模した青い光の球体――『ミズチ』が浮かび上がる。これは、断片的な情報から「失われた真実」を推論し、門の出現場所や忍術の適正、歴史の空白をシミュレートするために作られた、テスト運用中の最新鋭AIだった。


「AIに、編纂班がデータ化した全記録を読み込ませたいんです。温羅が本当は何者で、どこから来たのかを予測してください!」

 「面白そうじゃない。やってみなさいな、ミズチ」


 不破が指先で命じると、ミズチに膨大な歴史データが転送された。

 数秒後、ミズチの光が高速で明滅し答えにたどり着いた。


『……データ照合完了。既存の歴史記録、及び当時の物資流通ログを再構成。……推論結果を表示します。データが不足しています』


 ミズチの合成音声が、冷徹に真実を告げる。


「今あるデータから判断して。何か矛盾やおかしい情報はない?」

『与えられた情報から判断します。情報が少なすぎます。温羅よりももっと古い八岐大蛇の情報のほうがあることがおかしいです。八岐大蛇は遺体の回収にも成功しているのに温羅の遺体はなく。どのような見た目をしているのかも資料によって違います。退治した後に誰かが情報を操作していたのではないでしょうか』

「たしかに……なぜこんなに情報がないのかしら……!?誰かが意図的に消したっていうの……?」


 モモの声が震える。


『人桃衆の記録もほとんどなく温羅の情報と一緒に保管されているのではないでしょうか?温羅の記憶が曖昧なのは、意図的に消去したためと思われます』

「確かにその通りね……人桃衆は怪しいことをしているだけではなく、まだ何かを隠しているってことね」


 羅夢多の十字の瞳が、その言葉に呼応するように激しく、熱く脈打った。

 門を開けたのは人間。

そして、鬼を討つ側であったはずの「人桃衆」のルーツに関わる人間が、まだ何かを隠している可能性がある。


「……不破先輩、ありがとう。行くべき場所が、はっきりと見えた」

「面白そうだからついて行っていい?」

「ぜひ!」


 羅夢多は、ミズチのすごさに感心し、静かに立ち上がった。

八岐大蛇ってほんとにいたんだ……。

誰も突っ込まなかったので心の中でつぶやいた。


第五十一話をお読みいただきありがとうございました!

天才・不破計良と最新AI『ミズチ』が導き出した、温羅の衝撃の正体。

それは、人間の欲望が生み出した悲しき実験体の姿でした。

羅夢多の十字の瞳が捉えるのは、組織がひた隠しにしてきた「根源の罪」です。

次回、お楽しみに!

面白かった、続きが気になる!と思っていただけましたら、ぜひ【評価】や【ブックマーク登録】をよろしくお願いいたします!

※AIとの共同執筆作品となります。


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