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令和鬼合戦:不滅の鉄斎~深淵へのダイブ~

興味をもっていただきありがとうございます。

大昔の惨劇、そして石切一族の悲劇を知った羅夢多らむだ。 全ての点がつながった時、羅夢多はある一つの戦慄すべき仮説に辿り着きます。

あの時、自分を瀕死に追い込み、そしてその「血」を分け与えることになった五本角の白鬼。 怒りに狂い、人間のような表情を見せたあの怪物の正体は――。


 岡山基地の地下資料室。羅夢多は古文書に書かれた鈴木鉄斎てっさいの文字をなぞった。


「モモ……。あの五本角の白鬼……覚えているか?」

「ええ、忘れるわけないわ。羅夢多を一撃で……」

「あいつ、人間のような顔をしてた。煮えくり返るような怒りを浮かべて……」


 羅夢多の脳裏に、氷結地獄で味方に裏切られ、狂気に堕ちていく先祖たちの姿がオーバーラップする。


「あいつは、鉄斎だったんじゃないのか。地獄に取り残され、鬼を喰らい彷徨い続けた……」


 もしそうなら、なぜ彼は羅夢多を殺さなかったのか。なぜその血は、羅夢多を鬼に変えるのではなく、その命を繋いだのか。

それは、地獄の底で待っていた鉄斎の、最後にして唯一の「継承」だったのかもしれない。


「……皮肉だな。俺を生かしたのは、討伐隊を滅ぼした鬼そのものだったなんて」


 岡山基地の資料室を飛び出した羅夢多らむだとモモが向かったのは、犬牙衆の総大将の執務室だった。


 「……鈴木鉄斎だと?」


 犬牙衆の頂点に立つ総大将は、羅夢多の報告を沈黙の中で聞いた。証拠は何もない。あるのは羅夢多が見た「夢」と、その黄金色に変色した右目だけだ。

あまりに荒唐無稽な話に一蹴されることも覚悟していた羅夢多だったが、総大将は深く椅子に身を沈め、羅夢多を見つめた。


「本来なら戯言と切り捨てるところだが……新種の血を取り込んだおぬしが語っている。……よかろう、話を聞こう」

「総大将、俺は確信しています。あの白鬼は、地獄に取り残され、鬼を喰らい続けて異形となった鉄斎だった。あいつは……鬼神王を倒しても戦いは終わらないと告げたかったのではないでしょうか」


 羅夢多の言葉に、総大将は重い口を開いた。


「もしその仮説が正しいならば、我々は根本的な誤ちを犯していることになる。鉄斎たちは確かに『鬼神王』を討った。だが、現実には鬼の侵攻は止まらず、今日に至るまで続いている」

「……王を倒しても、鬼はいなくならない……?」

「左様。鬼とは単なる生物ではない。……羅夢多、我々がこれから向かう無間むけん地獄の底には、王よりもさらに根源的な『何か』があるはずだ。鬼がどこから生まれ、何故現れるのか。その『源流』を止めぬ限り、この戦いに終わりはない」

「特別な鬼を食らったのだろうか……我々が鬼を食っても鬼になりはしない……鬼の血が合わなければ死ぬし合えば力を得られるが、何度も食べれば必ず死ぬ」

「猿掌衆の研究でも鬼を食べても鬼にはなりません。特別な鬼か何か条件があったのか……」

「羅夢多はモモの研究をしばらく手伝え。おぬしが見たものももう少し調べてみないとな……」

「え、手伝うんですか?……了解しました……」


 岡山基地の特別秘匿資料室。羅夢多とモモはさらなる調査に没頭していた。


「……変だわ。これ、全部同じ『王』の記録のはずなのに」


 モモが数冊の古文書を机に広げ、頭を抱える。

記録に残っている『鬼人王討伐隊』は過去に計五回。


第一回・第二回: 当てがないまま無謀にも地獄へ送り込まれた部隊、生存者多数、鬼人王との戦闘なし。

第三回・第四回・第五回: 門の向こうに『鬼人王』と思われる姿が確認されてからの強襲。


 しかし、その目撃記録は整合性を欠いていた。


「三回目の記録では『十メートル級の白鬼。十本の角を持ち、顔中に無数の目がある。二本の腕には巨大な金棒』とあるわ。でも、四回目では『六本の腕を持ち、角は折れている』、五回目では……また別の姿。普通なら見間違いや、戦闘による変異、あるいは増殖だと解釈されるけれど……」


 モモの呟きを聞きながら、羅夢多は資料室の長椅子で浅い眠りについていた。

二週間の昏睡から目覚めたばかりの身体は、白鬼の血を馴染ませるために激しい体力を消耗している。微睡み(まどろみ)の中で、彼の黄金の右目は、資料室の闇に漂う過去の「負の感情」を無意識に視ていた。


 ふと、羅夢多が目を開ける。その黄金の瞳は、モモが見つめる資料の不自然な箇所を真っ向から射抜いていた。


「……モモ。それ、違う鬼なんじゃないか?」

「えっ……? でも、鬼人王のすさまじい鬼脈きみゃくは唯一無二のはずよ」

「姿が変わるんじゃない。……『王』が入れ替わってるんだ。 鉄斎たちが倒した。でも、誰かが次の王になった。……さっきの記録の五本角の白鬼も、いつか『十本角の王』になっていたかもしれない」


 羅夢多は立ち上がり、資料に描かれた「顔中に目がある鬼」を見据えた。


「鬼人王を喰らい、力を得た者が最終的にあの王の座に座らされているとしたら……。鬼人王っていうのは、ただの肩書きで、その中身は……入れ替わっているのかもしれない」


 モモは絶句した。

もしそうなら、鬼人王を倒しても鬼がいなくならない理由がつく。王が倒されるたび、地獄のシステムは新たな王――より強く、より深い絶望を持つ存在を据えるのだ。


「総大将に報告してくる。……鬼が出る『門』を叩くだけじゃダメだ。どこから鬼が生まれてくるのか、その『源流』を止めない限り、この連鎖は終わらない」


 羅夢多の決意に、総大将は重い沈黙で応えた。証拠はない。だが、羅夢多の瞳に宿る黄金の光が、何よりも確かな「地獄の真実」を物語っていた。


「……よかろう。その眼で確かめてこい。鬼が何処から来りて、何処へ向かうのかを」

「はい!また地獄へ行ってきます」


 二人は門が近くで開くのを待って基地を後にした。

天照の甲板には、腕を組み仁王立ちする源 雲切みなもとのくもきりと、一回り逞しくなった九十九つくもが待っていた。


「久しぶりだな、羅夢多、モモ。モモがいるということは調査か?」

「……源隊長。俺、決めたんです。王を倒すだけじゃなく、この地獄の『仕組み』そのものをぶち壊してやるって」

「お前が戦いを終わらせればいい」


 氷結地獄にあった大穴、そこから無間地獄へ侵入し調査をすることになり、以前と同じ精鋭部隊に治療部隊が加わった。


第四十一話をお読みいただきありがとうございました!

羅夢多の衝撃の仮説――あの五本角の白鬼こそが、先祖・鈴木鉄斎だったのではないか。

次回、お楽しみに!

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※AIとの共同執筆作品となります。


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