令和鬼合戦:源の真髄~白き絶望の再生~
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突如として消失した『大穴』。そして目の前に現れた、人間のような憤怒を宿す五本角の白鬼。
咆哮一つで天照の精鋭を硬直させる怪物に対し、九番隊隊長・源 雲切がついにその抜刀を許します。
天照のカタパルトから弾丸のように射出された三つの影。その中でも、源 雲切の初速は物理法則を無視していた。羅夢多と九十九が着地の衝撃を殺すより早く、源はすでに白鬼の目前で、残像すら置き去りにする速度で印を組み終えていた。
「――空遁『虚空鎖』」
源の声が響いた瞬間、白鬼の周囲の空間が目に見えない「檻」として固定された。大気がガチガチと凍りつくような音を立て、五メートルを超える巨躯が強引に縫い止められる。
源は漆黒の太刀を抜き放ち、その刃に一切の光を反射させることなく、白鬼の喉元、関節、そして五本の角へと神速の連撃を繰り出した。
ガギィィィィィィィン!!
だが、白鬼は空間を縛られながらも、二本の巨大な金棒を旋回させた。源の太刀と金棒がぶつかり合うたび、火花ではなく「空間の亀裂」が走り、周囲の岩石が粉々に砕け散る。
その斬り合いは、もはや常人の動体視力では捉えられない。ただ、一振りの衝撃ごとに大気が爆ぜ、地形が抉れていく光景だけがその凄まじさを物語っていた。
「……っ、何だあの斬り合いは……近づくことすらできねえ!」
羅夢多が防壁を張りながら叫ぶ。修行を積んだ彼らですら、二人の放つ鬼魂脈と魂脈の激突に気圧され、一歩も前に進めない。最強の忍者が本気で戦う戦場は、それ自体が一種の「禁足地」だった。
凄まじい火花を散らす打ち合いの中、源がわずかな「呼吸」を読み取り、大きくバックステップを踏んだ。
「九十九、今だ! 奴の『軸』を奪え!」
「了解! …… 『土遁・黒天球・圧壊』!!」
九十九が藤林から教わった『超高密度圧縮』を全霊で解放する。彼の魂脈は一点に凝縮され、白鬼の右腕、肘関節の空間をピンポイントで包み込んだ。
ブシュゥゥゥッ!!
凄まじい肉の裂ける音と共に、白鬼の腕が一本、金棒を持ったまま地面へと叩きつけられた。巨躯を支えていたパワーバランスが崩れ、白鬼の姿勢が大きく傾く。
「決まった……! 羅夢多、畳み掛けろ!!」
「おうっ!!」
羅夢多が剣を構え、がら空きになった白鬼の胴体へと肉薄する。蒼白い鬼火を極限まで刃に圧縮し、振動波によって分子レベルで肉体を崩壊させる絶好の機――。
「――鳴釜・二式『鳴刃』!!」
羅夢多の刃が届く、その刹那だった。
切り離されたはずの白鬼の肩口から、数万本の白い触手が爆発的に噴出した。それは「再生」という生易しいものではなく、失われた質量が空間から直接補填されるような、異様な「復元」だった。
ドゴォォォォォン!!
「が、はっ……!?」
瞬時に生え変わった右腕が、そのままの勢いで金棒を振り抜き、羅夢多の脇腹を真横から捉えた。
羅夢多はとっさに刀を盾にしたが、鬼魂脈を纏った金棒の衝撃は、振動防御を紙細工のように貫通。羅夢多の肉体は枯れ葉のように吹き飛び、地表を数百メートルにわたって転がった。
「羅夢多!!」
地響きを立てて止まった羅夢多の口からは、ドロリとした鮮血が溢れ出し、その意識は混濁していた。肋骨は砕け、魂脈の流れが激しく乱れている。修行を経て強くなったはずの体が、たった一撃で「破壊」された。
「……五月蝿いぞ、九十九。羅夢多は死なせん。……下がっていろ」
倒れた弟子の前に、再び源 雲切が降り立つ。
その背中から立ち昇る気配は、先程までの「武」の追求ではない。獲物を確実に屠るための、氷のように冷徹な「殺意」そのものだった。
「……再生を上回る速度で、塵にすればいいだけの話だ。……『忍術』の本当の恐ろしさを教えてやろう」
最強の忍者が、ついにその魂脈を「臨界」まで引き上げようとしていた。
第三十六話をお読みいただきありがとうございました!
源隊長の圧倒的な剣技と、九十九の重力による一矢。しかし、白鬼の異常な再生能力が羅夢多を窮地に追い込みました。
弟子を傷つけられ、静かに激怒する「最強」の源。彼が見せる真の超忍術とは。
次回、第三十七話。お楽しみに!
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※AIとの共同執筆作品となります。




