令和鬼合戦:響震一閃~巨神の崩落~
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地獄富士の背後から現れた、全長二千メートルの『白鬼』。
存在そのものが天災に等しい巨神に対し、移動要塞『天照』を守るべく精鋭たちが空へと舞い上がります。
「……デカすぎる。こんなの、どこを斬ればいいんだよ!」
羅夢多を抱えて飛行する雉翼衆の隊員が、目の前に広がる「白い壁」に圧倒され、声を震わせた。二千メートルの巨躯は、もはや生物というよりは動く山脈そのものだった。禍々しい気配は鬼脈でも魂脈でもない新種の超巨大鬼だった。
「ひるむな! 隊長に続け!!」
岡山犬牙衆・九番隊副隊長の相田が叫ぶと同時に、先陣を切る二つの影が加速した。
八番隊隊長・藤林 兆計。
そして、最強の忍者 九番隊隊長・源 雲切。
「藤林! 奴の足を奪うぞ。合わせろ!呪術・呪縛大蛇!」
巨鬼の足元から無数の大蛇が噴出し足をよじ登り絡まっていく、巨鬼でなければ全身を拘束されて動けなくなっているだろう。しかし巨鬼は足首から少し上まで拘束されているだけだ。
源隊長の合図に応じ、藤林隊長がその身から膨大な魂脈を噴出させた。彼もまた、九十九の重力術に比肩する、理を歪める「超忍術」の体現者だった。
「承知。――『嵐遁・大気圧搾』!!」
源が印を組んだ瞬間、巨神の周囲の空気が一瞬にして「重質化」した。大気圧を局所的に数千倍に高め、二千メートルの巨躯を全方位からプレス機のように押し潰す。
「 『土遁・黒天球』最大出力!!」
九十九の重力塊が巨鬼の「脚」を大地へと縫い付け、藤林が空間そのものを固定する。
ズゥゥゥゥゥゥン!!
大気圧、重力、空間固定。三つの超忍術が重なり合い、山のような巨躯がその場にゆっくりと膝をついた。
「――今だ、行け羅夢多!!」
三人の隊長が作り出した一瞬の静止。その「隙」を突き、蒼白い鬼火を纏った羅夢多が流星の如く加速した。
目指すは、巨神の胸部中央。山脈のように連なる白い装甲のわずかな継ぎ目だ。
「……くらええええぇぇ!」
羅夢多が巨神の胸壁に掌を突き立てた。
奥義『鳴釜』・一式『響震』。
『鬼火装』による爆発的なエネルギーが、極限まで圧縮された高周波の振動へと変換され、二千メートルの巨躯へと流れ込む。
キィィィィィィィィィィィッ!!
空間そのものが悲鳴を上げているかのような高周波。羅夢多は、巨神の内部にある「固有振動数」を瞬時に探り当て、魂脈の出力を同期させた。
羅夢多の魂脈が、巨鬼の「存在の理」を内側から破壊していく。
刹那、二千メートルの白い装甲に、無数の亀裂が走った。内側の細胞組織が共振によって一瞬で粉砕され、巨鬼の内部から凄まじい量の蒸気と黒い体液が噴き出す。
「……ガ、ア……アァァァァァッ!!」
地獄の空を揺らす断末魔。
支えを失った巨躯が、ゆっくりと、だが抗いようのない質量を持って紅蓮の海へと崩れ落ちていった。
崩落する巨鬼の背から、羅夢多たちが天照へと帰還する。
甲板で待っていたモモたちが、信じられないものを見るような目で彼らを迎えた。
「……本当に、山を一つ沈めてきやがった。規格外すぎて人間に見えねえな……」
秋山が苦笑しながらも、誇らしげに肩を叩く。
「……ふう。流石にこの規模の忍術は疲れるな」
源が涼しい顔で袖を払った。その姿には、最強の一角としての余裕が漂っている。
だが、彼らの視線はすでにその先を捉えていた。
倒れ伏した巨神の骸の向こう側。地獄富士の裏側に隠されていた、光さえも吸い込むような巨大な「底なしの穴」が見える。
「……あそこか。本当の地獄は」
羅夢多が剣を鞘に収める。
巨神の骸を越え、大穴の底にあるという『無間地獄』がここにも姿を現した。
第三十話をお読みいただきありがとうございました!
藤林、九十九。「超忍術」による連携と、羅夢多の奥義『鳴釜』。
物理的限界を超えた二千メートルの白鬼との戦いは、人類の圧勝に終わりました。
次回、第三十一話。物語は、ついに核心へと迫ります。
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※AIとの共同執筆作品となります。




