表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/53

令和鬼合戦:凱旋の報告~再会の祝杯~

興味をもっていただきありがとうございます。

大阪に出現した「小門」。

門から出てきたのは鬼だけではなかった。

モモの驚くべき成長と修羅場を潜り抜けた者たちの、束の間の休息を描きます。


 大阪・梅田に出現した小門は、羅夢多たちが帰還した直後に大量の物資を雉翼衆が運び入れて役目を終えたかのように閉じられた。


一行は柳が操る五体の鬼と共に特殊大型輸送機で本拠地である岡山基地へと直行した。

 基地の滑走路に降り立った、札幌の大門を閉じた精鋭部隊と半年以上の長い地獄での生活を終えた九十九ら雉翼衆を整列した隊員たちが静寂と敬意を持って迎える。

半年という月日は、彼らの立ち振る舞いを「若き忍者」から「歴戦の忍者」へと変えていた。


 基地内の最高戦略会議室。

三公の幹部たちが揃う前で帰還部隊による公式報告が始まった。


「まず『大灼熱地獄』の調査開始を報告します」


柳が話し始める。


「一本角の大型個体を血呪傀儡けつじゅくぐつで制御下に置くことで深層への進出が可能になりました。氷結地獄に関しては依然として過酷ですがあの黒鬼が現れた『大穴』までは到達できるルートを確保してます」


 柳の声は以前よりも低く重い。彼は傍らに置かれた三つの巨大な密閉容器を指差した。


「……これが、この半年で倒したS級個体三体の遺体です。研究材料として最高の素材になると思います」

「それから鬼の報告です。魂脈と鬼脈が融合した『新種』。奴らは知性を持ち我々の言葉を理解しております。戦闘はしていませんが戦闘力もかなり高いと思われます」


 会議室に戦慄が走る。S級を三体も仕留めて持ち帰るという離れ業、そして鬼の「新種」。羅夢多の顔に刻まれた無数の傷跡がその言葉に絶対的な説得力を与えていた。


「長い間ご苦労だった。ゆっくり休んでくれ。詳細はまた後日」


犬牙衆総大将、尾上 鉄山が険しい表情でみんなの顔を見た。

 報告会が終わり通路に出たところで一人の女性が立ちはだかった。

白衣の上に見慣れぬ上級の正装を纏った大ノ木 モモだ。


「……無事でよかった」


 モモが羅夢多の前に立つ。その瞳には涙が浮かんでいたが以前よりも凛とした強さが宿っている。


「心配かけたな!」


羅夢多が彼女の肩にある階級章に目を留め、驚愕した。


「モモ……。いつの間に上忍になったんだ!?」


九十九も目を丸くして叫ぶ。


「今さら?研修終わってすぐになってたわよ!」


「あんたたちが地獄で戦ってる間、こっちも必死だったんだから。札幌の後片付け、鬼の解析と新型装備の開発……かなりの成果が出せたわ」

「……そうか。おめでとうモモ」


 その夜、岡山基地では精鋭たちの帰還とモモの昇進を祝う合同祝賀会が催された。

半年間、非常食で命を繋いできた羅夢多にとって地上の食事と仲間の笑い声は何よりも贅沢なご馳走だった。


「羅夢多! もっと食え! 九十九もたこ焼きだけじゃ足りねえだろ!」


秋山隊長が豪快に笑いながら、二人の皿を山盛りにする。


「ありがとうございます、秋山さん……。でも、胃がびっくりして受け付けませんよ」


九十九が苦笑いしながら大阪で念願だったたこ焼きを頬張る。

 笑い声が響き半年間の死線を潜り抜けた緊張がゆっくりと解けていく。

明日からはまた鬼たちとの終わりの見えない戦いが始まるだろう。だが、今この瞬間だけは彼らはただの若者に戻り生き延びた喜びを分かち合っていた。

 祝宴の終わり。羅夢多は夜空を見上げた。


「……戻ってきたんだな。本当に」


 隣に立ったモモが、静かに頷いた。


第十八話をお読みいただきありがとうございました!

地獄の調査報告とモモとの感動の再会。一時の安らぎ。

次回、第十九話。面白いと思っていただけましたら、ぜひ**【評価】や【ブックマーク登録】**をよろしくお願いいたします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ