晴れ日記 179日目
わたしは毎晩探し物を探しに家を出る。
こんな時間に外出したらお母さんにもお父さんにも怒られてしまう。
でもラッキーなことにわたしを止めてくれる人はどこにも居ない。
居ないって言ってもお母さんは入院中だ。
お父さんは半年前に首を吊って自殺した。
わたしを見てくれる人は誰も居ない。
月が私を見下ろしているくらいだろう。
ふと思い立って空を見上げると、視界いっぱいに広がる雲ひとつない満点の星空。
この近所には街灯が全くないから、私の周りは真っ暗闇で両手さえもよく見えない。最初は怖かったけど毎日これを繰り返したおかげで今では全然怖くなくなった。
目を瞑っても歩ける気がする。...やっぱ嘘。
あれなんで外にいるんだっけ?
あ!そうだったそうだった探し物を探しに来たんだった。
といっても最近は見つけるのが大変なのだ。
気分もズズーンって落ち込む。
最近この町には連続殺人事件?連続失踪事件?みたいなのが起きてるらしくってわたし以外に出歩いている人は2、3人くらいしかいない。
そんなこんなで歩き続けること22分、初めて人に会えました。少し遠くにいるみたいでどんな姿かよく分からない。その人は私を見た後にどんどんこっちに近づいてきた。
こんな夜中に出歩くなんて悪い人ですねー全く。
わたしが言えたことじゃないか。
「こんな深夜に何をしているんですか?」
優しく声をかけてくれた。恐らく警察官だろう。
きっと彼は私が何か事件に遭ったと思っている。
それは間違いだ。事件はまだ起きていない。
これから起きるのだ。
私は右手を前に出す。私の首に巻かれた縄も同じように動く。まるで蛇みたいだ。縄を素早く操ってそれの首を締め上げる。
「━━━━━━━━━」
何か言っている。けど残念。
それの鳴き声はわたしの耳には届かない。
届いたとしても彼が死ぬことに変わりはない。
静かになったそれを縄で引きずってわたしは家に帰る。たまにビクビクっと体が動くけどわたしは全く気にしない。
探し物は見つかった。これで明日も晴れになる。
晴れ日記今日で179日目。
月は彼を見下ろしているが
月は彼を見殺しにしたようだ。
わたしに会ったのが運の尽き。
なんて、ふふ、結構上手いかも。




